始まった参院選で、菅首相が叫んでいる。
「私も増税なんて言いたくない。でも、ギリシャみたいになったとき、だれが一番被害を被るか。(ギリシャで)最初に行われたのは年金と給料のカットですよ」
そうならないために、税の論議を他党に呼びかける必要があると言う。
小沢一郎「ムダ削減が先」と立腹
各党は菅の消費税発言に一斉に反発しているが、党内からも批判の声があがったという。他ならぬ小沢一郎前幹事長で、遊説先の山梨で「増税よりムダの削減が先」とぶちかました。また、首相が目標とした「54議席プラスアルファ」にも、「過半数の60を目指すのが政党としての筋だ」とオカンムリ。
与良正男(毎日新聞社論説副委員長)は「増税は脱小沢の一環だから、腹を立ててるのだ」と解説。民主党・自由党合併で小沢が合流する前、民主党は消費税を上げるとしていたが、「選挙で増税なんて」と小沢が押さえ込んでいたとこの封印を解いたのだからと説明する。
みのもんた「小沢一派を破談にしちゃったら」
吉川美代子(TBS解説委員)「小沢さんは選挙のことばかりだから……」
与良「与党第1党と野党第1党が、ともに増税をかかげるのは始めてだ。政権を取ってみたら、やはり財政を立て直さないといけないとわかった」
菅はきのう(24日)、25日からのカナダ・サミットに出発した。サミットでの最大のテーマは財政再建で、各国の取り組みが確認されるのは間違いない。菅の増税論議の呼びかけは、多分にサミットを意識してのことだと、与良は言う。
これまで選挙で増税はタブー、というより命取りになるとされてきた。しかし、財政逼迫は待ったなし。自民党が「10%」としたのをこれ幸いと、菅がカウンターを繰り出したと見る向きもある。自民の石破政調会長が「抱きつきお化け」と言ったのも、不快感の現れだ。菅も相当な策士ということになる。
増税の必要がわからないほど有権者はバカじゃない。これだけことが見えてくると、逆に小沢流のうさんくささまで嗅ぎ取れるだろう。与良は「わたしたちがどう考えるかだ」という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト