注目の参院選がきょう(24日)公示された。首相交代で支持率がV字回復した勢いで乗り切る構えの民主党だが、菅首相の「消費税10%」発言から情勢はなかなか微妙になっている。
そんななか、蓮舫行政刷新相はきのう、事業仕分け第3弾を10月半ばに行うと発表した。対象は「特別会計」の18会計、51事業で、大臣は「これまでとちょっと違うのは、制度そのもの、制度仕分けの色合いが強くなろうと思っている。すべてをゼロベースで臨む」という。
特別会計179兆円の天下り
「特別会計」といえば、かつて塩川正十郎氏が財務相のとき、「母屋(一般会計)でお茶漬け食うとんのに、離れ(特別会計)でスキヤキ食うとる。おかしいんちゃうか」と名言を吐いた、あの「特会」だ。役人の無駄遣い、というより天下りの温床として悪名高い。
今年度予算でも、一般会計92兆円に対して、特会は176兆円と巨額。ここに様々な魑魅魍魎が織り込まれている。たとえば、先の事業仕分けで廃止が決まった京都の「私のしごと館」(厚労省所管 建設費581億円、累積赤字100億円)は、労働保健特別会計で作られた。もっと大きいのでは、赤字空港を作り続けた空港整備特会がある。
民主党は政策調査会に「特別会計チーム」をつくり、全面的に協力するほか、これまでの仕分けが予算にどう反映されたかをチェックする再仕分けも行うという。参院選のマニフェストのトップも「ムダづかい、行政刷新」で、「不要なトク会は廃止します」といっている。
消費税と「合わせ技」
司会のみのもんた「蓮舫さん、選挙のためか声が枯れてたね。でも、彼女のがんばりは、清々しく感じますよ。百何十兆円、これまで手つかずだったんだから。何に使ってるんだ。しっかりとメスを入れてほしい」
北川正恭(元三重県知事)「いっぺんオープンにしてさらけ出すのは、すごくいいこと」
谷口尚子(東工大准教授)「消費税だけでやろうとすると、25%くらい必要になる。ムダの削減も合わせてやらないと」
民主党も、これまでの実績でもっとも評価されている事業仕分けを選挙にぶつける意図はありあり。町の声も「選挙向けのパフォーマンスじゃないの?」「成果がわかるようにしてほしい」と覚めている。
民主党が過半数をとるには、57議席が必要だが、菅首相は「改選数の54以上を」と控えめだ。いえるのは、政権交代以降、有権者が政治を身近に感じていること。これがどういう結果を出すか。選挙に「必ず行く」「多分行く」は合わせて90%近いなんて、これまでなかった。日本民主主義のレベルも少し上がったのかもしれない。