武蔵川理事長の弟子である雅山が野球賭博にも関与したいたことが判明するなど、崩壊寸前の日本相撲協会にまた新たな火種。野球賭博にハマりこんだ力士たちと、暴力団関係者の胴元の間を繋いでいた仲介役がもう一人いると番組が報じたのだ。
床山とは別の暴力団ルート
これまで、仲介役は阿武松部屋所属の床山一人とみられていたが、リポーターの横野レイコが21日、阿武松部屋の30歳代の元力士を取材したところ、元力士が次のような証言をした。
「部屋には2人の仲介者がいた。一人は床山で、もう一人は現役力士。この2人が仲介役の中心人物として動いていたことは間違いありません。自分がいた部屋だけで、(部屋の力士の半分に当たる)10人はいたわけだから、協会全体で見るともっとすごい数になるのではないか」
現役力士が仲介役となっていたのは、床山とは別の暴力団関係者が仕切っている胴元だったという。
証言した元力士は、引退するまでの8か月間、野球賭博に手を染め、このほど警視庁から任意で事情聴取を受けている。仲介役をしていた現役力士については、警視庁も把握しているという。
こうした新たな事実を受けてか、協会は21日の臨時理事会で、名古屋場所開催の是非についての最終判断を7月4日の臨時理事会まで繰り延べ。その間、協会所属の力士976人全員をもう1度洗い直すことになった。
その理由を横野は「野球賭博の対象になっていた29人は自己申告した人。正直に申告していない人もいるから。20人の弁護士を投入し、22日にも調査をスタートさせるようだ」と言う。
対応が遅さに呆れるばかりだが、ニューズウイーク日本語版編集長の竹田圭吾は「一部の報道で指摘されているように、万一、相撲自体が賭博の対象になっていて、それも暴力団が関与していることになったら、今の何十倍もの問題になる。そこまで司法は睨んでいるのではないかと思う」と話す。
相撲の砂かぶりに設けられた特別の『維持員席』が、暴力団関係者の指定席みたいになっていたウラの実態から察すると、あり得ることか……。