サッカーW杯のオランダ戦に話題が集中した19日、スェーデンでは王位継承権を持つビクトリア王女(32)のロイヤルウエディングが34年ぶりに行われた。日本からは皇太子が参列した。
「得もり」コーナーが報じたのは、民間出身の花婿の8年間にわたる涙ぐましい改造プロジェクトの話だ。
田舎者のスポーツトレーナー
花婿はスポーツトレーナーで月給11万円というダニエル・ベストリングさん(36)。馴れ初めは02年に体をこわしたビクトリア王女がスポーツジムに通い始めたときで、そこで専属トレーナーだったダニエルと恋仲になった。
ビクトリア王女は兵役義務はないのに軍隊に入隊するなど、王女らしからぬ行動力が国民に敬愛されている。その花婿がこともあろうに一般人の、それもトレーナーというわけで、「王室にふさわしくない」と批判が噴出した。
パパラッチはダニエルに狙いをつけて集中攻撃。訛りがひどいので「田舎の少年」、顔がカエルに似ていることから「カエルの王子様」、からだが竹串みたいで「バーベキューの串」とか、新聞の見出しも言いたい放題だった。
さらに、ビクトリア王女が父親のグスタフ国王にダニエルを紹介すると、34年前に民間人だったシルビア王妃と結婚したのを棚に上げ、国王から返ってきた言葉は「民間人と結婚するのか!」
仕立屋、美容師、家庭教師
一念発起したダニエルと皇室が取り組んだのが、8年間に及ぶ「ダニエル改造計画」だった。
仕立屋と美容師が付いてイメージチェンジ、家庭教師を雇って「3か国語と歴史、マナーの学習」、「公務の仕上げ」など、など。涙ぐましい努力の甲斐あって無事に挙式となった。
スタジオでは、大変身した花婿ダニエルに中野美奈子アナはひと言。
「前のほうがよかった」
たしかに、改造前のままのほうがいい。
キャスターの小倉智昭は「よく耐えたね8年間も!」。ニューズウイーク日本語版編集長の竹田圭吾は「スェーデンは意外と保守的なんですね」
3者3様のコメント。
結婚式には日本の皇太子も参列し、王女の身内のそばで伝統の儀式を見守ったと新聞は伝えた。