飼育場にブタの姿はなく、白い消毒薬に覆われた鉄柵だけが並んでいた。殺処分した5508頭の埋設地には長さ100メートルにわたって小高い盛り土が続く。宮崎・川南町の畜産農家が撮った映像は何とも無惨だ。
しかし、口蹄疫の被害は畜産農家だけにとどまらなかった。米田やすみアナが訪れた都城市の「あじさい公園」は、いまが盛りというのに、立ち入り禁止となっていた。不特定の人が集まる図書館、博物館なども軒並み休館。イベントも中止が200件を超えた。
宮崎ナンバーお断り
2次被害も深刻だ。宮崎物産館も客が昨年の半分近くに落ち込んだ。口蹄疫発生から2か月で、職を失った人は79人、農場だけでなく、食肉加工、ゴルフ場、ホテルにまで及ぶ。宮崎県全体の経済もじわじわと締めあげられている。
宮崎のトラックは、県内各地の消毒ポイントで消毒されるほか、会社へ帰っても独自に消毒される。運転手が「会社を出て帰ってくるまでに9回」と言うほどの徹底ぶりだが、宮崎ナンバーというだけで「大丈夫か」と言われたり、仕事の発注を断られたりが増えてきたという。
宮崎県トラック協会「92%の事業者が減収と答えている。中には5000万円、1億円も売り上げが減っている業者もいる」
映像がスタジオに戻ったら、みのもんたが白い消毒作業衣を着込んでいた。消毒薬や手ふきのティシュなどもある。みのは「暑いですよ」とさらにフードもかぶってみせた。
米田「みなさん毎日の作業で疲れているところへ、風評で言われるのがすごくつらいんですよ」
とくに、食品以外でも「宮崎ナンバーお断り」が広がり、人の出入りも減っているのだそうだ。観光への影響も深刻になりつつあるという。
ところが、みのが「実際には、もう口蹄疫の心配はなくなりつつあるんでしょう」ととんでもないことを言い出した。こらあ!
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「まだまだです。収束したところもあるが、新たに飛び火してるんです」
米田が宮崎支援の輪というのを紹介した。
・ダルビッシュ有投手が「1アウトをとるごとに3万円」
・巨人、広島、埼玉西武、ソフトバンクが300万円ずつ
・横峯さくらが優勝賞金1200万円
・今井美樹が500万円と応援ソング
・永瀬正敏がチャリティーサイト解説
・ふるさと納税が6月1日までに5100万円
みの「東国原知事にがんばってもらうしかない。鳥インフルエンザも押さえ込んだんだし」
現地はきのう、きょう(22日)豪雨に見舞われた。そのなかに口蹄疫の発生地区の名もあったのが気になる。殺処分して埋設したところは大丈夫なのだろうか。