「得もり」コーナーで、笠井信輔アナが「弟子を指導する立場の親方たちも、賭博に関与しているところまで拡大してきました」と取り上げた。野球賭博に関与していたとして新たに名前が出たのは、大獄親方(元関脇・貴闘力)と幕内の豊ノ島の2人。
汚染拡大で、来月11日初日を迎える名古屋場所の開催が危ぶまれてきた。
眞鍋かをり「やってない人にも疑いの目」
日替わりメニューのように疑惑が噴出する賭博問題で、相撲協会生活指導部の陸奥部長(元大関・霧島)が3日連続して16日も文科省を訪れた。
陸奥部長はこの日も担当する同省職員に「全部ウミを出し切るので、この後のことを見て頂きたい」と頭を下げた。
終わった陸奥部長を色めき立った報道陣が待ち構え、次のようなやりとりがあった。
―「親方が関与していたことを文科省に伝えたのか」
陸奥「人数だけは伝えました」
―「65人の中に親方も入っている?」
陸奥「いや、それは言っていません。聞かれていませんから」
―「65人の名前を知っているか」
陸奥「そうですね」
―「その中に(賭博に関与した)親方の名前が入っているか」
陸奥「私の口から言えません」
陸奥親方が答えに窮するのも、トップの武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)の優柔不断な姿勢によるものだろう。
立ち上がりが肝心な相撲と同様、危機管理にも迅速な初動作業が必要なのだが、まったく逆。このため、いまや名古屋場所開催が危ぶまれるところまできている。
協会では名古屋場所については大関・琴光喜は休場させ、賭博関与を申告した残りの力士は出場させる方針だった。これに対し、文科省は次のような苦言を呈し、再調査と調査結果の公表を求めた。
「名前が分かってしまうからという理由でそのままやるのはおかしい。優勝した力士が『賭博をしていた』では困る」
協会ではようやく外部調査チームを設置し、17日からさっそく65人の事情聴取を開始する方針だという。
スタジオでは65人の名前を、公表すべきかどうか笠井が出演者に聞いた。
女優の眞鍋かをりは「やっていない人まで疑いの目で見られるのは可哀そうだから」と『全員公表』。
『一部公表』の小倉知昭キャスターは「こういう状況の中で、公表の『必要なし』の気持ちもある。自己申告で名前を公表したら終わっちゃうよ、相撲。公の機関に任せるべきだ、今はまだ早い」。では『一部公表』はどういう意味なのか。
作家の福田和也気はこんな理由から『必要なし』とする。
「言い方が難しいんですが、大相撲の世界は世間とちょっと離れたところがいいところ。相撲はスポーツじゃないところもあるので」
その世間離れしたところを皆が容認したために、甘えに結びつき相次ぐ汚染問題に発展したのではないか……。