大関・琴光喜が関与を認めた野球賭博問題をトップニュースで続報した。日本相撲協会が15日開いた緊急理事会で、賭博にかかわった65人の力士に対し、ひとまず「厳重注意」処分を決めた。警察の処分を見てさらなる処分を協議するのだという。
協会の自主性のない、自浄能力が欠如した体質をさらけ出した感じだが、これで「性根を入れた」(武蔵川理事長)と言えるのか。
琴光喜かばう理事長
武蔵川理事長は理事会終了後の記者会見で、琴光喜が13日に理事長宅を訪れ、野球賭博の関与を告白したことに触れ、次のようにかばった。
「(琴光喜が)脅されていたということも含め、家族も含め危険ではないかという判断もあって、本人はなかなか正直に認めることができなかったのではないかと思う」
脅されていたという『被害』を強調し、大関という地位にいながら、なぜ暴力団がらみの野球賭博に手を染めていたのかには触れずじまい。
当初、琴光喜の理事長への『告白』は隠され、14、15の両日行われた監督官庁である文科省の報告でもスットボけたままだった。さらに、協会が行った実態調査に外部理事が意図的に外され、さすがに川端文科相も怒った。
「せっかく第3者の理事が入っているのに、一連の調査の時には外されて情報を遮断されていたことも含め、(協会を)再生するギリギリのところまできているのではないか」
協会にそんな危機感があるのかどうか疑わしいが、武蔵川理事長は「伝統文化を汚すどころではない。性根を入れて、今後こういうことが起きないようにするにはどうしたらいいか、協会全体で考えねばいけない」とまるで他人事だ。
スタジオには相撲担当リポーターの横野レイコがいたが、取組の話ならともかく、スキャンダルは苦手なのか、詰まりながら理事会の経緯とこれまで報じられている野球賭博についてさらっと説明するだけ。
キャスターの小倉智昭「(琴光喜は)負けが込んでしまって(勝った分の金を要求という報道が多いのだが)、暴力団から脅迫を受けていたと言うんでしょ」
芸能ジャーナリストの前田忠明「もう相撲協会の問題ではない、離れてきていますよね。完全に警察の問題に…」
警察は法律に違反しているかどうかが仕事。相撲界の自浄機能発揮、再生は協会がやらないと誰がやるのか。今回の続報は視点を欠いた内容だ。