国民新党の亀井静香代表が郵政担当相辞任を表明した。連立離脱カードをちらつかせて菅政権を揺さぶったが、支持率のV字回復に自信を得た民主党は参院選の日程を優先、今国会での郵政改革法案見送りを決めた。国民新党はこれに反発、対応を協議した結果、代表が務める担当大臣の職は辞するものの連立は維持するとした。
郵政法案通らないほうが選挙にゃ有利
コメンテーターの八代英輝(弁護士)は、参院選後、国民新党が参院で連立を構成できるかどうかは流動的。3、40万票といわれる郵政関連票を考えると、国民新党としてはここで法案を通したかったはずと言ったうえで、「社民党の支持母体は、主義、イデオロギーを大切にする人たちであるのに対して、国民新党の支持母体には、特定の法案を通してもらいたいという明確な希望がある。連立を抜けるデメリットの方が大きい。そこで亀井さんが抜けることで一定のけじめをつけようとした。まあ、苦肉の策だ」とした。
一方、テリー伊藤は「亀井さんはしたたか、うまい」と、違う見方をする。選挙前に法案が通ってしまうと、郵政関係の人たちは自分たちの票を国民新党にあげなくてもいいと考える可能性がある。選挙後の臨時国会で法案を通すとした方が、参院選での国民新党への投票を期待できるというのだ。そして「社民党もこの作戦をとればよかった。福島さんのあとに辻元さんが入って沖縄の人に謝罪するやり方もあった」と述べる。
亀井は自分の後任に自見庄三郎幹事長を推すところなど、たしかに転んでもただでは起きないたくましさを感じさせる。ただ、参院選対策に終始するのはどうかと思う。MC加藤浩次が指摘するように郵政改革法案自体を「しっかり審議した方がいい」