宮崎県の口蹄疫問題。厳しい防疫体制を取っているにもかかわらず、全県規模に汚染が拡大しつつある。都城市で牛3頭の感染が確認されたのに続いて、10日にはこれまで発生がなかった日向市と宮崎市でも牛と豚に感染の疑いが出てきた。
番組は感染が止まらない現地の様子を伝え、原因を探った。
家畜のエサ場で付着
新たに牛3頭に感染の疑いがでた日向市。隣接する都農町や川南町などで感染の家畜が見つかって以来、防疫作業を実施し51日間発生がなかっただけに、対策本部の関係者は「残念だ」と肩を落とした。日向市では、遺伝子検査の結果を待たずに24時間以内に340頭余りの牛を殺処分するという。
ワクチン接種や殺処分のほか、家畜の移動禁止や殺菌など防疫作業を行っているのに、なぜ出口が見えてこないのか。専門家は鳥が発生地域の家畜のエサ場でウイルスを付け、他の地域に飛んで行ってばらまいていると見ている。
川南町周辺にはまだ殺処分されていない感染家畜が3万頭も残されており、これらのエサ場に鳥が飛来しウイルスを運んでいく可能性もある。
また、専門家は紫外線はウイルスを殺す効果があるが、梅雨入りで日照が減ると感染が広がるおそれがあると指摘する。
キャスターの小倉智昭は「ヨーロッパでもドーバー海峡を越えたり、今回の宮崎県も大陸から海を越えて入ってきたともいわれているわけですから、それに比べると狭い宮崎県の範囲で感染しても不思議ではないよね」と言う。県境を越えて、鹿児島、熊本などへの拡大防止が急務である。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト