8日に正式に発足した菅内閣の『素顔』を取り上げた。就任会見で菅総理は、目指すは「最小不幸の社会」と言い、それに向かって戦う菅内閣を、幕末、庶民からも有志を募って結成したふるさと山口県の奇兵隊にダブらせ、「奇兵隊内閣」と命名した。
あらめて仕切り直しをした民主党への期待が高まっているのだが、番組出演者の感想はどうだったか。
消費税アップのプラスマイナス
ゲスト出演した時事通信社記者の田崎史郎は「参院選対策内閣」、タレントの高木美保「揺れ戻し内閣」。続いてタレントのデーブ・スペクターが書いた「EXILE」には、「どういう意味ですか」と質問が出た。デーブによると「亡命」の意味で、小沢一郎を亡命させて遠い所からいじったりするのではという。EXILEには「追放」の意味もあるのだが…。
司会の小倉智昭の感想は「カン財人内閣」。破産した会社の債務処理に当たるのが管財人。やり方によっては、会社が完全になくなるか、更生して立ち直るかだという。
そこで番組がもう一つ取り上げた「素顔」では、菅首相が強調する「財政再建」の取り組み、具体的にいえば消費税率アップを中心にした税制抜本的改革が話題となった。菅は副総理だった4月に消費税率アップについ次のように発言している。
「増税をしても使い方を間違えなければ景気は良くなる」
また、野田財務相も就任会見で「消費税、法人税、所得税、資産税を抜本的にそれぞれ見直す」と消費税増税の方向を示した。では、菅の言う「増税しても景気は良くなる」とはどういうことか。
菅のブレーンで内閣参与の大阪大学社会経済研究所の小野善康所長によると、増税分を失業手当や給付金にあてると何も効果が現われないが、雇用の創出にあてれば雇用不安が緩和され、所得も増えて経済が活性化するという。
ただ、問題はどんな職種で雇用を創出するか。介護士の雇用を創出しても限界がある。また、現行の一律5%という消費税制度そのものを見直ししないでアップすれば、必ず反発が起きる。
海外にあまり行かず日本で稼ぎまくっているのか、デープが次のようなトンチンカンなことを言う。
「第2、第3の経済大国でありながら、たった5%というのはありがたいが、相当おかしな話。どこへ行ってももっと高いですよ」
日本の消費税は先にもふれたように、一律課税なので低いのは当然。欧州の「消費税」とは制度の中身が違い、税率だけでは比較できない。
田崎が「参院選の前にマニフェストに書いて有権者の審判を仰ぐ方がいい」というのには同感だが、その場合もきちっと正直に方向性を示すべきだろう。