菅首相の最初の会見はなかなかよかった。ジャーナリストからいうと、無理なく見出しになる言葉をはいてくれる人が一番。その点、「強い経済、強い財政、強い社会保障」「最小不幸社会」「奇兵隊内閣」「サラリーマンの息子」……地味だが、胸にストンと落ちる言葉が沢山あった。
かえって菅内閣の支持率アップ?
さすがに、政治と金、普天間問題では歯切れが悪かったが、これは小鳩がまいたタネだから仕方がない。残った難問が郵政改革法案だ。国民新党との連立、すなわち参院での多数維持とセットで、亀井大臣のごり押しがありあり。
しかし、この政変で会期が足らなくなった。では会期延長してでも通すか。これには参院の改選組が大反対だ。といって、強行採決をすれば支持率は落ちるだろう。菅首相は「板挟み」と新聞は伝える。
「法案は通す」という国民新党との約束からいえば、会期を延長して審議して、となるが、これには民主党参院が「かんべんしてくれ」という。党内にも延長して論戦をすべきだという筋論もあるが、野党は「政治と金」の追及に使う算段だ。その結果、せっかく戻った支持率が落ちるのが怖い……。
川戸恵子(TBS解説委員)「結局は菅さんの腹ひとつになる」
片山善博(前鳥取県知事)「早く選挙を、という気持ちはわかるが、ちょっと自信がない感じがする」
金井辰樹(東京新聞政治部)「論戦すると支持率が下がるんじゃないかというところが、情けない」
井上貴博アナが「法案が通らないと、国民新党が連立を離脱するといっている」と報告すると、司会のみのもんたは「離脱したら、 社民党も離脱したんだし」とそっけない。
金井「その方が民主党の支持は上がるかもしれない」
川戸「国民新党だって、この法案にかけていたというのがわかる」
みの「大臣のポストがほしいためと思われたら、おしまいですよ」
世論調査に出た民主党支持の中身をどう読むか。小鳩がいなくなって、民主党への本来の期待が戻ってきたのか。これまでの8か月間のプラス政策もみたうえでの判断だろうから、もっと自信をもっていいはずだが。それもこれも、選挙の結果次第。厳しい世界だね。