民主党はきょう7日党役員人事を決め、8日に菅内閣が発足する。菅直人代表の誕生で党の支持率はV字回復しているが、カギは「脱小沢」。これで何がどう変わるのか。選対委員長に内定した安住淳議員がスタジオで語った。
安住はもとNHK政治部記者。さきがけから民主党にかわり、当選5回。選対委員長は過去4回つとめている。小沢幹事長とは距離を置くが、小沢代表のもとでも選対委員長だった。しかし、今回の参院選では、これまでの小沢路線をどうするかが問われるところ。
沖縄どう戦うかむずかしい
まず、今回の代表選について――。
安住「小沢さんが派閥的な考えを持っていたとしたら、誤算だったかもしれない。民主党はグループのしばりが強くない」
小沢グループは150人といわれる。
安住「よくプロ野球で満員になると6万人というが、実際は違う(爆笑)。小沢グループといっても、菅さんや鳩山さんの方にも顔を出していたり……。この党は6割が無党派なんですよ。代表選でも派閥の足し算ができない」
末吉竹二郎(国際金融アナリスト)「その民主党がなぜ鳩山さんを選んだ?」
安住「委員長や大臣をやらずにいきなり首相ですから。鳩山さんは政局に強い。1発の度胸はすごいが、政策をまとめて決断するという経験が足らなかった」
与良正男(毎日新聞社論説副委員長)「小沢さんを道連れにしたのなんかは、たしかに政局の人だと今回わかった」
さて、菅代表の「脱小沢」人事だ。まず枝野幸男幹事長。
与良「一番の衝撃は枝野幹事長。よりにもよってという感じ。小沢さんが『いちばん嫌いだ』といっていた人だから。ものすごい決断ですよね」
安住「代表選に出る前から決めていたふしもある」
幹事長代行に細野豪志。
安住「実務能力の高い人だから、適任だと思う」
与良「小沢グループを全部排除するわけではないよ、というメッセージでもある。樽床伸二・国対委員長も同様」
当の安住は選対委員長。「選対委員長を2度、委員長がないときは選対企画もやった。またか、という感じ」だと自分で言う。
それより、玄葉光一郎・政調会長はどうか。
安住「小沢幹事長に陳情一本化で、異を唱えていたのが私や玄葉さんだった。もともと、菅さんも政調会長を軸に組閣準備していたのを小沢さんが切った。その結果、高速道路問題でも大臣同士がぶつかりあって、みっともないことになった、1年生は選挙だけやってろ、では人材が育たない。
枝野さん、前原さん、私なんかが、なんでここまで来れたかというと、鳩山さん、菅さんが自由闊達にやらせてくれたからですよ。政調こそが民主党」
その小沢は地元へのビデオ・メッセージで、「選挙に勝ったら、先頭に立って頑張る」といった。復活宣言なのか。
「これは矛盾してる」と与良。「参院選で菅さんを支持するのは国民なんですよね。それをひっくり返す?」
その通り、JNNの調査では、小沢辞任を「当然だ」が90%だった。小沢退陣で党の支持率も上がっているのに、それで勝ったら「先頭を走る」というのは矛盾している。
安住「小沢さんの心象風景には、かつての福田・大平の権力闘争があるのかもしれないが、民主党の人たちは選挙結果をみて常識的な判断をすると思う」
で、選対委員長としては参院選をどう考えているのか。
みのもんた「沖縄はどうなる?」
安住「沖縄は象徴的な選挙区になると思う。正直に向き合って、結果を真摯に受け止めないといけない。どう戦うかはむずかしい」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「全国的にはきびしいといわれているが、どれくらい?」
安住「1人残らず(当選して)帰ってくること。無理に2人を立てることもない。取りこぼしはできない。若い党なので、経験のある人になんとしても帰ってきてもらいたい」
久しぶりに、普通の日本語が通ずるゲストだった。