「子ども手当カット、消費税引き上げ」早くも見えてきた菅政権の経済政策

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   まだ新首相が決まらない時間帯の放送だったが、1番気になるのは、新しい首相のもとで国民の暮らしはどうなるのかだろう。番組では、小倉智昭キャスターが「時間もないので、樽床さんには悪いが、菅さんに絞って…」と、菅直人の経済政策を取り上げた。

亀井静香の処遇がポイント

   菅首相が出馬会見で強く訴えたのは「財政再建」だった。

「経済の成長と財政再建と社会保障の分野、特に介護、保育の分野は経済において成長分野です。方向性を間違えなければ、日本経済は立ち直っていくと思う」

では、その具体的な方向をこれまでの発言から見ると――。

   マニフェストでは来年度から子ども1人あたり2万6000円支給されるハズの「子ども手当」は減額か。菅はこれまで「半分を現物給付で」と示してきた。その理由は、「保育園なり幼稚園なりを増やす現物給付の場合は、雇用を生み出す効果がある。雇用という側面から見ると好ましいのではないか」という。

   鳩山前首相が4年の任期中には増税しないと公約した「消費税」の増税について検討を始めそうだ。財務大臣就任の会見で、「所得税、法人税、場合によっては消費税、さらに環境税。こういった本格的な税制の議論を3月から始めます」と話し、消費税増税を視野に入れていることを明かした。

   専門家も「財政再建に軸足がかなり置かれているので、子ども手当をできるだけ減じる方向へ。家計が支払う税金を増やすという意味で、将来的に消費税の引き上げを政策のターゲットに挙げてくると思う」と指摘する。

   緊縮財政に軸足のウエートをかけるとの見方は同じようだが、せっかく好転しかけている景気に冷や水を浴びせるのも困る。

   ノンフィクション作家の岩上安身が、ゲスト出演した民主党の山岡国対委員長に次のようにクギを刺した。

「財政・経済政策に関して、ものすごく注目するのは亀井静香さんの処遇なんですね。国民新党は小さな党ですが、大変な存在感を示した。 昨年の09年度第2次補正予算の時、菅さんが主張した2.7兆円の規模に対し、亀井さんは10兆円を主張するバトルがあった。7.2兆円に落ち着いたが、結果、景気も2番底にならずに、そこここ安定してきている。 ムダを省けという人は民主党にいっぱいいるが、ここ1番の時に積極財政派の人がいないと、多様性みたいなものが痩せたものになる」

これに山岡国対委員長は、「亀井さんは乱暴そうで、ハチャメチャなことをやっているように見えるが、極めて感度はいい。菅さんも分かっていますよ」と説明した。

   経済に通じていて、ここぞという時の勘がよく、説得力がある。そんな政治家は、政権を持った経験がなかった民主党にはほとんどいないのではないか。亀井大臣は貴重な存在であることは間違いない。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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