「W辞任」言い出したのは鳩山か小沢か ホントはどっち?

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   電撃的な首相と幹事長の辞任。その前日の1日、鳩山首相が小沢幹事長に切り出した、というのが首相の説明だった。ところが、今朝の新聞では一部これが逆に伝えられている。

最後通牒

   読売新聞は1日の会談の3時間後、小沢が鳩山に電話で「参院が止まれば法案が通らなくなる。政権運営なんてできないんだよ」と丁寧に説明した。事実上の最後通牒だったと伝えた。

   毎日新聞は逆に、31日の会談で首相が辞意をもらした。この時は記者団に「続投か」と聞かれて「当然だ」と答えたが、翌1日の会談では「クリーンな民主党に戻さなければならない。幹事長にも身を引いてもらいたい」と求め、小沢も「わかった」と応じたと書いた。

   小沢が鳩山を説得したという見方は、きのうの東京新聞も伝えていた。ただ、これは1日の会談の席で、首相は応じなかったとしている。しかし、その部屋から出てきた小沢は仏頂面、鳩山はにやりと笑って親指を立てていた。

   みのもんたが「どっちなんです?」と聞いた。

   毎日新聞東京本社特別編集委員の岸井成格は、「政局の大きなヤマ場というのは、どっちから見るかで全然違ってくるんですが」と前置きしてこう分析した。

「情報の順番でみると、まず、このままでは政権がもたないと考える小沢さんが、鳩山さんを見限ったという情報がバーッと流れた。これで鳩山さんも状況がわかったんだと思う。で、どっちが最後に言ったかでは、鳩山さんだと毎日新聞は見た。指を立てたのは『やったよ』という意味だった」

   元朝日新聞政治部記者の早野透は「これは両方ホントなんでしょう(笑い)。鳩山さんはいつ辞めようかなと思ってただろうし、小沢さんもイライラしていたでしょう。両方の思いが、こうした違った報道になったのでは……」と、これまたわかったようなわからんような。

   みのが「2人ともそう思ってたんなら、解散・総選挙が筋では?」と聞いたが、プロは一瞬沈黙。やおら早野が「まあ、参院選だけでも負けそうですからね。汚れちゃった表紙を変えて、パスしようと」と話すと、岸井も「もしいま解散したら、308議席という自民党もとったことがない数が半分になる。そんなこといい出したらつぶされちゃう」

   筋は筋、現実は現実――これが政治の世界。いつもそのなかにいる政治記者は、書くものもしゃべりもわかりにくい。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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