1日から支給が始まった「子ども手当」だが、これから支給になる自治体では申請率が68%だという。え! 要らないなんて人がいるの? いったいなぜ?
約2億円のムダ
15日から支給の宇都宮市では、これまでの児童手当を受けていた世帯に、あらたに1万5300世帯が加わった。これに申請書を送っているが、いまだ申請率は53%。理由は公務員の分が出てこないからだ。公務員の場合は、職場で申請することになっている。これは児童手当のときと同じやり方。ただし、申請書の発送は、住民基本台帳をもとに行うから、個人情報保護の関係で公務員かどうか職業の特定ができない。やむなく公務員にも発送しているから、その分申請率が落ちるというわけだ。
なんともばかな……、といっても、これは全国同じ。「朝ズバッ」が、政令市、県庁所在地、東京23区の74の自治体にアンケートしたところ、回答のあった65自治体すべてで、公務員の把握ができず、したがって、申請率は平均で67.8%にとどまっていた。
厚労省は「行政側が公務員を特定して、市町村に通知することはできない」という。その分、申請書類がムダになることははじめからわかっているわけだ。宇都宮市によると、郵送費用が封筒、返信封筒(切手)、印刷、人件費をふくめて1通約200円かかる。
子ども手当の支給対象となる公務員は147万人(厚労省調べ)だから、これを100万世帯とすると、約2億円になる計算だ。自治体からは「公務員だけを分ける必要はない。全員一律市区町村からの支給としてもらいたい」「23年度からはシンプルでわかりやすい制度に」などの声が出ている。
厚労省は児童手当と同じ方式にすることよって、市町村の事務軽減になっているというが、どこが軽減だ。
さらに、別の心配も出ている。間違えて二重に申請してしまうケースだ。たとえば、夫が公務員で、妻が会社員だと、送られてきた申請書をうっかり出してしまうこともありうる。
金沢市では、1万4000件の増加にたいして、すでに2件の二重申請を発見されたという。そこで電話での確認をくりかえしていた。かえって事務は煩雑になっているのだ。
外国人や養護施設の子どもの問題もそうだが、そもそもは児童手当のシステムに乗せてしまったことが原因。専門家は「突貫工事でやったからでは」という。
みのもんた「突貫工事っていってましたね」
前鳥取県知事で慶応大教授の片山善博は「そうですよ。もっとシンプルにしないといけないのに、やっつけ仕事で児童手当に2階を乗せたようにした。おまけに参院選前に支給しないとというので……」
みの「財源が一番大きな問題ですが、4年間消費税あげないといってる」
杉尾秀哉(TBSテレビ報道局解説・専門記者室長)「許されないですよ。あと何年もつかわからない。危機感をもってもらわないと」
みの「でも、鳩山さんは親指立ててにっこり笑った」(笑い)
首相が辞任を表明する2時間前だった。