北の選択「国際孤立」か「改革開放」か
韓国のイ・ミョンバク大統領は、北朝鮮が軍事的挑発を繰り返せば、自衛権の発動も辞さないと演説した際に、朝鮮半島が重大な転換点を迎えているとも述べた。この意味合いを問う国谷に対して、ユ外交通商相はこう答える。
「朝鮮半島情勢はきわめて重要な時期にある。北はこのまま孤立する難しい道を歩むのか、国際社会に賛同して国を改革解放して国民が暮らしやすい国にするのか、岐路に立たされている。北朝鮮は今こそ選択しなければいけないという意味だ」
さらに国谷が、「北朝鮮が国際社会の一員になる選択をする方向に向けて、どのように動くのか」と尋ねると、外交通商相は「国際社会が国連を通じて確固たる意思を北朝鮮に伝えることが大切」とした。
「国際社会」のカギを握るのは、北朝鮮に大きな影響力をもつ中国に他ならない。NHKソウル支局長によると、韓国としては国連安保理における中国の存在を意識せざるを得ず、北朝鮮制裁決議を議長声明レベルに下げるなど落とし所を探っているという。
支局長は「韓国にとって今年、最大の目標はG20を無事に開催させること。G20に向けてバランスのとれた対応をいかに進めて行くか。外交手腕が問われている」と結んだ。
半島の平和と安定のために、これ以上の衝突を避けたい韓国と中国が連携して北朝鮮を抑えられるかどうか。そこが試されている局面のように思えた。
*NHKクローズアップ現代(2010年5月27日放送「緊迫の朝鮮半島~韓国・外交トップに聞く~」
アレマ