米軍普天間基地の移設問題。問われるべきは迷走している鳩山首相のはずが、ひと足早く社民党内部から福島党首の「不信任」説が飛び出してきた。
「総理発言」でダメなら罷免
27日夜行われた社民党「幹部会」の動揺ぶりを番組が取り上げた。
取材した記者によると、2時間にわたる幹事会で党幹部は、閣議決定などの署名拒否を表明している福島党首に、次のように妥協を迫ったという。
「党が割れてもいいのか。参院選での民主党との選挙協力もなくなってしまう」(又市副党首)
「それでも沖縄にとってプラスになるのか」(重野幹事長)
しかし、福島党首は「署名しない」の一点張り。説得は通じず、いら立った又市副党首が最後に「あなたに不信任を突きつける」と口走ったという。
スタジオではまず「週刊朝日」編集長の山口一臣がバッサリ。
「政治家として信念を貫こうとすることは評価しますが、野党でなく、与党に入っているのですから…。社民党として、党首として、沖縄をどういう方向に向かわせていくかにエネルギーを費やすべき。文言を入れるか入れないかというような瑣末なことで揉めるのはムダ遣い」
テレビ朝日コメンテーターの三反園訓も「そもそも日米共同声明に『辺野古周辺』の文言を入れ、政府方針には入れないなど違うこと自体がおかしい。政府方針をやる必要はないと思うんです。『総理発言』など何の効力もない」と批判的だ。
まだ辺野古移設で決まったわけではなく、先のある問題に意地を張るのはおかしいし、連立離脱や党首不信任など大揺れするのは本末転倒というわけか。
社民党は28日夜も幹事会を開き、引き続き協議するというが、福島党首は意地を張ったあげく罷免では、結局は元の木阿弥ではないか。
その肝心の閣議だが、27日に開く予定だった与党3党首会談が、社民党の調整がつかないため28日にずれ込み、閣議は3党首会談後に臨時閣議の形で開き、そのあと首相が記者会見する。
三反園は「閣議では『総理発言』にとどめ、首相が記者会見で『県外移設について今後努力する』と表明する。首相は党首会談で『そこまでやるから福島さんいいですね』と迫る段取りのようだ」と言う。
鳩山政権には、社民党に連立離脱の意思はないとのヨミがあり、それでもダメなら福島消費者担当相を罷免するのだとか。