ヒット企画「熟年SEX」見せ方の工夫
さて、現代躍進の功労者になった「熟年SEX」だが、今週は「新しい絶頂、私のオーガズム体験」。女性をオーガズムに導くために、多くの男たちは間違いを犯していると、産婦人科医の宋美玄氏はいう。
「まず男性は、『女性をイカせよう』と思わないことですね。そう思うと力んでしまい、愛撫が強くなりすぎることが多いんです。(中略)大切なのは優しい刺激で、一定のリズムをキープした淡々とした愛撫なのです」
いかに優しく、女性をオーガズムへ誘うかが、懇切丁寧に説明される。そして最後に宋氏は、「間違った考え方を捨て、正しい愛撫や挿入を心がけてください」と読者を諭すのだ。
毎号毎号、することは同じなのに、見せ方を工夫する編集者は、さぞかしたいへんだろうと同情を禁じ得ない。また、戻ってきたアラ還読者たちが、こうしたセックス特集を読んで、もはやオシッコをするためだけの存在だった我が息子を奮い立たせ、頑張ろうと渾身の力を振り絞っている姿は、高度成長からバブル崩壊、長い不況を生き抜いてきた企業戦士たちのこれまでの人生と重なり合い、ちょっぴり哀切なものがある。
エッセイにも、立川談志、大橋巨泉、福田和也氏らを配し、高齢者を元気にする雑誌としてリニューアルした現代が、更なる高みへいけるのか。鈴木章一編集長に注目である。
他の週刊誌のお奨め記事をいくつか挙げておこう。名古屋市長河村たかし氏の庶民革命に焦点を当てた「名古屋から日本を元気に!!」(朝日)。これを読むと、河村氏を総理に据えた方が、なんぼか日本のためになると思えてくる。
先週号の記事で、警視庁に事情聴取をされた大関琴光喜の野球賭博疑惑を追及した新潮の第二弾「取調室で『黙秘権』を行使した『琴光喜』」。男・宮嶋茂樹カメラマンがタイのバンコクの内戦を撮った文春のグラビアは、一見の価値あり。