「アラ還世代」にしぼった実用・読み物
ギリシャショックはこれからが本番で、日経平均7000円割れもあるから「株・投信・外貨預金」を持ってちゃいけないと警告する記事や、宮崎県の口蹄疫パニックの現場ルポ、皇太子がこのごろ怒りっぽく、酒浸りの原因は、改善しない妻の病状や娘の学校でのトラブルだとする特別読み物「皇太子も辛いよ」がある。
このところ「大研究」と謳って、素朴な疑問に答えようと長めの特集を毎号やっているが、これもよく解釈すれば、ページが豊富にある『余裕』なのだろう。
今週は「人事はなぜ間違えるのか」というテーマを扱っている。「査定・リストラ・問題社員監視」を担当し、社内スパイとまで陰口をたたかれる人事部だが、昔のようにエリートコースではないようだ。
いまだに「学閥」が幅をきかせている企業もあるが、意外なのは、社内制度を利用し、海外留学してMBAを収得したいという人が増えているようだが、これは出世の本流にはなれないというのだ。
「実は海外留学する人は、同期のなかでトップではなく、二番手集団であることが多い。(中略)将来の幹部として期待されている人材を、会社は1年でも仕事からはずすことはありませんからね」(大手商社社員)
笑えるのは、マスコミは「上司の好き嫌いで出世が決まることが多い」のだそうだ。ニッポン放送の名物ジョッキーから社長に上り詰めた亀渕昭信氏にもインタビューしているが、結局、人生と同じで「人事もいろいろ」だから、出世できるかどうかは運次第。この当然過ぎる結論では、何のためにこの特集を組んだのだろう。
だが、現代の強味は、ターゲットをアラ還世代にしぼり、そこへ特化した特集や、毎号必ず載っている熟年のためのSEX講座だ。
まずは、「明日は我が身 ボケが始まるとき」では、普段それほど怒らない人が、些細なことでいきなり怒り出し、すぐに元通りに戻ったりするのは、アルツハイマー型認知症の前兆なのだそうだ。だとすると、私のように年がら年中怒って怒鳴り散らしている人間は、その兆候が見つけにくいということか。
この病、絶対的な予防策もなければ、治療もできないそうだから、心配してもしょうがないと、諦観の境地に達するしかないようだ。