親方手配の「たまり席」から暴力団幹部ムショの組長にブロックサイン?

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   また相撲界で世間のひんしゅくを買う出来事が発覚した。一般には入手できない「砂かぶり」と呼ばれる土俵そばの「たまり席」を暴力団に提供していた事実が警察の調べで分かったのだ。

   これを取り上げた番組で、2人のゲストコメンテーターの口から暴力団と相撲界のつながりが明らかにされた。

抜き差しならぬ癒着関係

   問題になったのは去年7月の大相撲名古屋場所。現役の親方2人が手配した「たまり席」にある「維持員席」の券を指定暴力団「山口組系弘道会」の幹部が入手。15日間で50人余りの組関係者が観戦していた。

   組幹部が土俵下で観戦している姿が、NHKテレビ の相撲中継に映し出されているのを愛知県警が確認、相撲協会に情報提供して明らかになった。

   なぜ、組幹部たちはテレビに映るのを承知でたまり席に陣取り観戦していたのか。県警では、組幹部らが服役中の元弘道会会長・山口組6代目組長に、テレビに映る自分たちの姿を見せようとしたのではとみている。人気のある正面席ではなく、テレビに映る向正面席ばかりを希望していたという報道もある。

   しかし、顔見せばかりではなさそう。ゲスト出演したスポーツジャーナリストの二宮清純は、「単に元気な姿を見せるだけじゃないですよ、ブロックサインでいろいろなことを伝えているという説がある」という。さらに二宮は次のような実態にも言及した。

「(相撲界と暴力団の癒着は)昔からの慣行ですよ。具体例を挙げれば、かつて九州・久留米であった話ですが、慈善大相撲の収益金が流れていて事件になったこともあります。 親方株売買は禁止されていますが、実際は1億円とか2億円で売買されている。親方株を担保に入れておカネを借りている人もいる。反社会的勢力の人がその間に入ったりすることが多々ある」

   同じくゲスト出演した相撲ジャーナリストの中澤潔も、「相撲界は祝儀を包まれると非常に弱い。酒席に招かれた縁で祝儀を受け取ってしまうと、縁が深まり、『(大相撲に)招待しましょう』というようなことになる。そういう関係にまでなると抜き差しならない」と言う。

   中澤が記者時代に、「山口組の化粧廻しをした力士が土俵入りをした姿を見ているんですよ。いまから思えば記者として恥ずかしいんですが、そのころはそれが当たり前と思っていた」。

   相撲界の「表舞台」である土俵は今や外国人力士に乗っ取られ太刀打ちできないありさま。「裏舞台」では、麻薬汚染に続いて野球賭博疑惑が浮上するなど、とても国技などと言える状態ではない。

   最後に、暴力団との癒着の深刻さについてニ宮は、「そこにメスを入れるとなると、返り血を浴びる。それでも断行する勇気があるかということです」という。

文   モンブラン
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