パリ郊外で名画5点盗難―マニアがプロに盗ませた?

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   鮮やかな手口は怪盗ルパン並み―。作家の若一光司の「世界びっくりニュースウオッチ」コーナーは、今回はパリの美術館で20日起きた名画盗難事件のナゾに迫った。

隠れ部屋で1人で鑑賞してるかも

   犯行のあった美術館は、日本もまんざら無関係でないパリ市立近代美術館。1937年のパリ万博の日本館として建てられた「パレ・ド・トーキョー」の一部が今なお美術館として使われているからだ。

   20日午前6時50分ごろ、警備員が朝の巡回をしていたところ、壁に飾ってあったピカソやマチスの名画5点がゴッソリ盗まれているのを発見した。

   この5点は、ピカソの『鳩と小さなえんどう豆』、マチスの『田園風景』、ジョルジュ・ブラックの『エスタック近くのオリーブの木』、モディリアーニの『扇子を持つ女』、フエルナン・レジュの『燭台のある静物』。

   誰がどんな風に犯行に及んだか。若一が事件にまつわるナゾを解説した。

   一つは1階窓ガラスを割って侵入した犯人の姿を監視カメラが逐一撮影していたのに、マスク姿の長身の男とだけしか分かっていないこと。犯人はわずか15分間に、絵画の絵の部分をカッターナイフのようなもので丁寧に切り取り、絵だけを丸めて持ち去っている。その手際の良さは怪盗ルパン並みだとか。

   ナゾの2つ目は、この美術館は警備が厳重なことで知られており、3人の警備員による24時間監視体制が組まれていた。06年には、ごく小さな異常でも警報アラームが作動するシステムも整えられた。  

   ところが、この警報装置が故障していて、3月30日に業者に修理を指示したが、部品がなくて2か月間放置されたままになっていた。パリ市警は警備の不備を知った内部関係者の犯行の疑いもあるとして捜査しているという。

   ところで、この5点の名画はいかほどの価値なのか。オークションに出されたことがないため推定価格もまちまちで、検察当局は当初500億円を上回る被害総額と見ていたが、市当局は責任問題がからむのか、110億円と少なめに見積った。そこで番組が専門家に試算をお願いしたところ、最低でも197億円と出た。

   では、犯人はこの名画をどう処分するつもりなのだろう。絵画を代償にカネを要求する身代金目的、ヤミ市場での売買などが考えられる。

   若一は「いまはマネーロンダリング(資金洗浄)の監視が厳しく、闇の世界では現金よりも麻薬、兵器、絵画が3大闇市場と言われるほど」だという。

   絵画マニアのマフィアがプロに盗ませ、豪邸の隠れ部屋でひっそり『美』を独占し、すっかり忘れたころ秘かにヤミ市場で転売。何十年後に発見された時は??

   そんなドロボー、いや生活を望むのは日本ではちょっと無理か……。

文   モンブラン
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