「種牛」例外認めず殺処分―ワクチン接種後に精液採取も可能

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   宮崎・口蹄疫問題をめぐって、県と政府側との間に意見の相違が出ているようだ。未感染の種牛49頭について、東国原知事は「宮崎県に種雄牛がなくなりかねない。残す方向で考えていただきたい」と救済を訴えるが、山田農水副大臣は「農家に対して示しがつかない。直ちに殺処分」と譲らない。

他県への感染拡大防止

   隔離したエース級種牛6頭のうち、一番手の忠富士に感染が判明して殺処分が決まり、他の5頭もピンチに見舞われている状況で、知事が宮崎の畜産のために49頭にすがりたい気持ちもわからなくはない。が、「家畜伝染病予防法」では、ある農場で1頭でも口蹄疫が発生すると、感染力が強く広がりやすいので、農場全体が感染とみなされるのだという。殺処分は免れないらしい。

   番組が電話で聞いたJA宮崎中央会の羽田正治会長は「個人的見解」と断ったうえで、「最後に49頭を殺処分してほしい」と述べた。スタジオゲストの東京農工大・白井教授も「ワクチンを接種してウイルス感染を防いで殺処分を遅らせ、その間に精液をとって種を残す」ことを提案する。現状では、これしか方法はなさそうだ。

   コメンテーターの竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)は、「他県に感染が広がった場合の損害の大きさを考えると、断固とした措置はやむを得ない。今回のことを教訓にして、処分対応の遅れ、ワクチン投与にひるみがあったのであれば、今後、いかにして行くべきか、早急に考えることだ」と語る。

   キャスターの小倉智昭が「人間だったらと思うとぞっとする」としたうえで、「わが子のように手塩にかけて育ててきた農家の方の辛いお気持ちよくわかります」と締めくくった。

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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