中野美奈子アナがニュース原稿を読みあげる。「去年まで東京都内の大学病院に勤務していた36歳の男性医師が、妊娠した交際相手に薬品を点滴して流産させた疑いが強まったとして、警視庁が近く強制捜査に乗り出す方針を固めました」
刑法ではどうなってる?
引き継いだ笠井信輔アナが「信じられない事件です」「あまりにもひどい」と続ける。笠井によると、医師は「栄養剤を投与してあげる」と偽って、妊娠させた看護師に陣痛促進剤を点滴したらしい。結果、流産する。これが不同意堕胎容疑にあたるのだという。
笠井が説明するところでは、明治時代に制定された刑法には「同意堕胎」(女性も同意した堕胎)、「不同意堕胎」(女性の同意がない堕胎)、「業務上堕胎」(医師が堕胎させた場合)を有罪とする条文になっているという。ただし、今では母体保護法によって、特別に認められた医師による中絶だけが例外的に認められているとのこと。「不同意堕胎罪」は6か月以上7年以下の懲役だそうだ。
メインキャスター小倉智昭が言うように、「最悪の職権乱用」で、身重というコメンテーターの渡辺満里奈は、「考えられない」とショックを隠せない様子。
看護師が妊娠何か月だったか、点滴がどういう状況で行われたかなど詳細は不明といい、「強制捜査になったときにどういった容疑になり、逮捕、起訴となったときにどんな罪になって行くのか」(笠井)。
現在、金沢市内の大学病院に勤めているという男性医師は、番組終了後、不同意堕胎の疑いで逮捕された。きわめて珍しい容疑だが、果たしてこれまでほかにはなかったのだろうか――。