小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる土地取引事件で、検察審査会から「起訴相当」の議決を受けた東京地検特捜部が、あらためて小沢から任意で事情聴取した。特捜部は月内にも結論を出すとみられているが、再び不起訴処分とするか、今度こそ起訴するのか、政局に大きな影響を及ぼすだけに番組も興味津々。コメンテーターの間でも見方が微妙に分かれた。
予定時間超えた事情聴取
事情聴取は15日午後、帝国ホテルで行われ、小沢は自らの関与を重ねて否定したようだが、2、3時間の予定を大幅に超えて4時間半わたった。
終了後、小沢側から出されたコメントには次のようなくだりがあった。
「検察審査会の出された結論を受け、より分かりやすく、丁寧に話させていただこうとの思いで対応させていただきました。これからも、誠実に対応してまいる所存です」
日ごろの小沢の突っけんどんな応対とは打って変わり丁寧な言い回しだが、ジャーナリストの鳥越俊太郎は「春の異動で、ナンバー2の東京地検次席検事が積極派次席に代わった。(起訴に)変わるかもしれないですよ。4時間半もかかっているし…」と分析した。
新しい次席検事はライブドア事件で、「額に汗して働く人が憤慨するような事件を積極的に摘発したい」と語り共感を得た人物という。鳥越もそこに期待をしている様子だが、弁護士の田中喜代重は元東京地検検事だけに次のような慎重な発言をした。
「検察内部に積極派と消極派があって、意見が分かれたと巷間いわれたが、事情聴取が1時間や2時間延びることはままあることです。それに、はじめに結論ありきでは民意を反映している検察審査会制度を愚弄することになるので、細かく聴いたのは確かでしょう」
一方、テレ朝コメンテーターの三反園訓は不起訴とみているのか、「新たな証拠が出てくるかどうかですよね」
これに田中は「(証拠として)出ているものの評価は人によって違いますからね…」
結局、特捜部が2択のうちどちらを選ぶかはまだ霧の中。三反園が最後に「カギは月内の予定されている衆院政治倫理審査会をオープンにするかどうかですね」としゃべってまとめた。
政倫審を公開にすればことが終わるとも思えないのだが……。