「参議院は野球チームをつくろうと思って選手を集めているらしいね」
司会の小倉智昭が冗談を飛ばす。たしかに、堀内恒夫(元巨人62歳)=自民比例、中畑清(元巨人56歳)=たちあがれ日本比例、まだ確定ではないが、江本孟紀(元阪神62歳)=国民新党比例、とプロ野球出身者の立候補予定が目立つ。
国民が問われている
元プロ野球選手ばかりではない。谷亮子(柔道34歳)=民主比例、池谷幸雄(体操39歳)=民主比例、三原じゅん子(女優45歳)=自民比例など、有名人候補が少なくない。
このうち、番組が直接取材して出馬理由を聞いたのは、堀内、池谷、三原の3人。
堀内「スポーツ界の地位向上を図り、スポーツ省をつくりたい」
池谷「スポーツを通じての教育改革」
三原「がんのサバイバーとして医療問題、介護施設経営者として福祉問題に取り組みたい。女性を守らないと本当の意味の少子化対策にならない」
VTRを見終わって小倉が、「ある程度、下積みというか、政治的活動をやっていた方であれば安心できるけど」とコメンテーターに振る。
ピーコは「出馬するとき政治的考え方を言ってくれれば投票してもいいかなと思うけど、オリンピックも出たいし政治家もやりたいと言われると、政治家ってそれくらいの感じ、と思ってしまう」とヤワラちゃんを批判、返す刀で「江本さんなんか、もう政治家はいいやってリタイヤしたみたいな方が、なぜもう1度出るかハッキリしてもらわないと」ともっともな指摘をする。
夏野剛(慶應大学大学院特別招聘教授)は「プロの政治家が必ずしもいいわけではないというプロセスを、政権交代を通して見てきた。ここは国民が問われている。自分の主張、ポリシーがある方と、あまり感じない人がいる。きちんと聞いて選んで投票行動をしたい」と述べた。
政治家といわれる人たちの劣化が、タレントと目される人たちの立候補をまねいていることは間違いないだろう。