<警視庁失踪捜査課(テレビ朝日系金曜)>1年間の失踪者は全国で8万人を超えるらしい。高城賢吾(沢村一樹)をはじめとする「失踪捜査課」の刑事たちは、そんな失踪人の行方を追う。
刑事ドラマというよりヒューマンドラマだ。事件を鮮やかに解決する以前に、失踪者や周りの人々に隠された事情や秘密に迫り、さまざまな人間模様を描いていく。また、事件を解決していくたびに、高城の過去も明かされていくという仕掛けらしい。
すべて中途半端
失踪するひきこもりの青年・良雄役を速水もこみちが演じるというので、エーッ、ちょっと想像できない! とドキドキしながら見てみた。結果は……、う~ん、4年間ひきこもっていたというわりには普通かな。もっと汚くなったもこみちが見てみたかった。「家に美容師が来て良雄の髪を切っていた」という設定ではあったのだが、ヒゲとか髪の毛とかボサボサで、洋服もしわっしわな感じのーー。それとも、元が良いから何をしてもかっこ良く見えるのか。ちょっと惜しい。
プロミュージシャンを目指していたけれど、友人だけがスカウトされ、裏切られたと感じてひきこもりになってしまった良雄。その良雄が突如姿を消し、その行方とネット上で良雄と親交のあった女性(実は美容師で良雄も正体に気づいていた)が今回の謎らしい謎。
結局、良雄が失踪したのは、友人に復讐するためでなく、友人とのわだかまりを解消するためだったというオチが途中で読めてしまった。心あたたまる終わり方はいいのだけれど、良雄の葛藤やなぜ外に出るにいたったのかを、もっと細やかに描いてほしかった。そこが弱いので、なぜ4年間もひきこもらなければならなかったのかが、よくわからないまま終わってしまった。これまた惜しい。
てらっち