このごろ、番組が重用するゲストに元自民党衆院議員の浜田幸一がいる。太田光総理(爆笑問題)はかつて「ヤクザ」呼ばわりしたり、あまりお気に召さない様子だが、今回の放送(証人喚問スペシャル)でも登場。番組に出るごとに5歳ずつ老衰してるかのような浜田は、同期の国会議員だったという民主党・小沢幹事長の問題に触れ、「小沢はクロだ(番組注:あくまで本人の見解です)」と唇をふるわせながら「証言」するのであった。
野中発言で広がる揣摩憶測
政治をウツクシくするために、昔かたぎのキタナい政治家は(自分同様)辞めるべきだと主張するハマコーは、キタナい政治の一例として「野中も言ってただろ」と官房機密費問題に一言触れた。さきごろ、野中広務元官房長官がテレビインタビューや講演会で機密費の使途を暴露して話題の一件である。
ハマコーは機密費は政治家に配ってたと言う。が、今日日、政治家が不適切なカネを受け取ってただけでは誰も驚かない。野中証言は、テレビで正義の先頭を走ってるような顔した政治評論家が、盆暮何百万円の付け届けを当然のように受け取ったなどとした点にバリューがある。それでこそ、カネを受け取ったのはいったい誰だと犯人探しにも興が湧くというものだ。
ネット上には、当然のように、機密費を受け取った疑惑のある「人名リスト」が出回っている。そして、驚くことに、その一部には、政治評論家のみならず、大物お笑い芸人兼映画監督や天才演出家、テレビ御用達汎用評論家などが挙げられ、我らが太田ソーリの名前まであるのだ。
もっとも、それら人物の多くは、テレビでの発言が民主党(鳩山)政権に対して批判的だという理由で名指しされているに過ぎない。野中が指摘したのは政治評論家だが、政治評論家にカネが渡っているのなら、ニュースキャスターや司会者、(政治的発言をする)タレント、政治記者、新聞やテレビ局だって――と拡張する憶測が源泉となり、ソーリなども槍玉に挙がったようである。
メディアとカネ
ところで、ソーリは、実際のところ、どーなんだろうか。ハマコーと違い、自身が機密費に言及することはなかったので、仕方なくこっちで考えてみると、機密費もらってたらおもしろいが、もっとももらってなさそうな部類には見える。最近のソーリが政権批判を強めているのはたしかだ。しかし政権交代前は、麻生前首相はじめ自民党政治をことごとくという感じでこきおろしてきた。ソーリの権力批判の視点は、下野した新聞やどこかのニュースサイトなどよりはよほど一貫しているように感じられる。あるいは、ソーリの書生キャラも画面上の楼閣なのかもしれないが。
なんにしろ、あくまで憶測でしかないが、この「メディアとカネ」という新ジャンルは「政治とカネ」に飽き飽きしていた視聴者にとっては新鮮な福音だ。あの評論家も、このコメンテイターももしかして、と疑心暗鬼になり、この政治バラエティー番組ですら、安閑として見ていられなくしてくれたのだ。※ちなみにこの欄の筆者は、残念なことに番組や政府から機密費的なものは一切もらえていない。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)