ワールドカップ南ア大会の代表メンバー発表でいちばんのサプライズは、第3キーパーとして川口能活(34)が選ばれたことだろう。番組によれば、右足骨折のため、1年以上も代表チームから遠ざかっていた。本人も「99・9%ムリだと思っていた」と言う。
若手が入っていない
岡田武史監督は川口の選出理由を「彼のリーダーシップ。このチームの中で選手から一目おかれている存在が、大会を戦って行くうえで必要」と述べている。
「自分の名前が呼ばれたことよりも、能活さんの名前が呼ばれて方がうれしい」(中澤佑二)
「闘争心とかがワールドカップ期間中にチームに浸透して行くと思う。僕もいろいろ盗めたらと思う。尊敬している」(中村俊輔)
選手たちの信頼は厚いようだ。
小倉智昭も「川口が選ばれて僕はうれしい」と言うが、期待されている役割は本来、監督、コーチが果たすべき仕事のような気がしないでもない。
川口以外にも30代の選手が7人おり、今までの代表チームで最も多いという。「とくダネ!」から南アに派遣されるリポーターの大村正樹は、「若年層があまり入っていない」とし、「岡田さんはピークの選手を選んだ。4年後ではなくて、いまを戦うんだという決意が見える」と語る。大村はリポーターというより、サポーターのように、一人で興奮して盛り上がっていた。
小倉は「南アは土地によって気温差がマイナス2度くらいから25度と激しい」とベテラン陣の体調を気遣う。しかも、試合は高地で行われる。初戦のカメルーン戦は標高1400メートルの場所だという。専門家によると「高地は空気抵抗が減少し、ボールスピードが落ちにくくなる」そうだ。アフリカ勢相手では不利を免れまい。不安な6月14日である。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト