鳩山首相は見通しもないのになぜ米軍普天間基地問題の『5月決着』を繰り返してきたのか。刻々とタイムリミットが迫る中、ようやく動きだしたが、これで決着できなければ『辞任が当然』の声も高まってきている。
8年間のアメリカ軍支配
番組は迷走する鳩山政権の行方を取り上げた。鳩山首相は28日には鹿児島・徳之島出身で、同島の実力者である徳田虎雄元衆院議員を病床に訪れ、米軍普天間基地の一部を徳之島へ移設する案への協力を求めた。徳田は徳之島の3町長への面会取り次ぎは了承したが、移設については「奄美は戦後8年間のアメリカ軍支配で嫌な思いをしてきたから、徳之島の民意から見ても無理がある」と拒絶した。
しかし、3町長は「取り次がれても(首相には)会えないですよ。島民を裏切るわけにはいかない」と、拒否の姿勢を崩さない。
そんななか、首相は5月4日に就任後初めて沖縄を訪れ、仲井真知事に名護市辺野古沿岸部の修正案受け入れの直談判をするという。
さっそく社民党の福島党首が「名護市辺野古沿岸部の修正案は明確に反対」と冷や水をぶっかけた。ただ、「県内なら連立政権離脱」も辞さないと言っていた福島だが、今回は「連立離脱はしない」ことも明言。「努力したが5月決着はダメだった」
そんな首相の言い訳づくりの沖縄行き結末を見越したうえでの発言なのかも……
スタジオでは、ジャーナリストの大谷昭宏が「いきなり徳之島だなどと言わないで、内閣、与野党一緒になって考え、こういう条件を出すから手を挙げてくれと呼び掛けたらどうか」と口火を切り、週刊朝日編集長の山口一臣も「沖縄の負担を軽くすることに反対する人はいない。鳩山首相や民主党の問題ではなく、私たちの問題だと思う」と続けた。
迷走する鳩山首相に助け舟を出したが、これまで鳩山や民主党は何をやってきたというのか。あまりにも遅い。
キャスターの赤江珠緒は「地元と接触してどういう話し合いが行われたのか、全然見えてこない。誰がテーブルについているのかさえ実感がない」といい、長嶋一茂も「(話し合いの)段階がゼロから1になっていないような感じがする。そんなところも含め反感が出てくるのかなと思う」。
2人はこの問題をまかされていた平野官房長官はじめ関係閣僚のふがいなさ、稚拙さを暗に批判したようだが、そんな人材を交渉の要に選んだのも鳩山首相だ。