「バーリンホウ」が守旧中国に風穴を開ける

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当たり前の権利

   国谷のインタビューを受ける韓寒さんは実にクールだ。まずブログについて、「みなうっぷんを晴らしている。わたしのブログは公衆便所みたいなものだ。用を足して、生活が変わるわけではないが、公衆便所は必要なんです」

   世代についても、「バーリンホウは簡単にだまされないし、変な思想に左右されない。世界情勢もわかっているし、正邪の別も理解している。ただ、まだ権力も地位もない。権力を監視できないから現状を打開できない」

   2年前の四川大地震では、多くのバーリンホウがボランティアとして現地に入った。その前の世代にはなかった動きだ。以来、市民活動に携わる者が増えている。水質汚染の告発を続けているNGOの張亜東さん(25)は、政府批判も辞さない姿勢が海外からも評価されている。しかし、権力は容易には動かない。

   韓寒さんは「デモをすれば逮捕される。四川大地震は堂々と行動を起こすきっかけになった。国民はだれもが社会正義を望んでいるが、バーリンホウの意識はより強い。権力も既得権益もないから声をあげ続けるしかない」

   国谷が「欲しい権利は」と聞いた。

「ここで話すのは難しいが、他の国なら当たり前の権利を持ちたい。民主化運動で大きな代償を払った天安門世代は、いま既得権益世代になったが、われわれは20年30年経っても、いまのままのバーリンホウでありたい。中国の進歩とはそういう社会を作り出すことだ」

   これは、やがて共産党独裁とぶつかることになるだろう。10年20年経てば、次の世代も育つ。そのとき彼らはどこにいるのか。

                                        

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2010年4月26日放送)
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