<Mr.サンデー>あの人気キャスター・宮根誠司が『日曜の顔』になる! 鳴り物入りで始まった宮根にとって初めての東京で夜の生放送だが、まったく宮根のカラーが出ていないし、なにが狙いの番組なのかもはっきりしない。ただただいろんな話題を生煮えのまま食い散らかして、虻蜂取らず、中途半端な印象しか持てなかった。
滝川クリステル
冒頭からいただけなかった。私はこの人の何が魅力なのかさっぱりわからないのだけれど、滝川クリステルが登場して、宮根の相方をつとめるというのに、これが初対面とかで、宮根が「初めまして」なんて言ったりする。なんともわざとらしい演出! まずここで番組の底の浅さを感じてしまった。続いて、「徳之島の海兵隊ヘリ基地移転反対」「朝青龍の独占インタビュー」「1Q84はなぜ読まれるか」というようなニュース情報が並ぶ。日曜日夜に1週間の出来事の総まとめという作りなのだが、朝青龍のインタビューをのぞけば、土曜朝から日曜夕方にかけて、各局の情報番組で何度もいじくり回された話題ばかり。目の覚めるような斬新な切り口、驚くような新情報でもあるなら別だが、結局、スタジオに並んだコメンテーターたちが、これまた何回も聞かされた『感想』を述べるだけだった。
初回ということもあって1時間45分の特別番となったが、なんとも長く感じられた中で、宮根がもっとも宮根らしかったのは、フィギュアスケートの浅田真央とのお台場デート。焼き肉食ったり、洋服を買ってやったりするのだが、やっとここで宮根の番組という色がちょっと感じられた。番組としてもっともよくできていたのは、池上彰が「日本人の給料はどうして下がるのか」を解説したコーナーだった。相変わらずの明快な説明で、日曜日の夜にビールでも飲んで寝転がって見ているサラリーマンを狙ったものだとしたら、これは大当たりである。
しかし、番組スタッフも宮根も喜んではいけない。これからも池上を起用していくつもりかもしれないが、池上だけが目立って、ついには「池上彰の番組」になってしまう危険をはらんでいるからだ。宮根の臭いでやるしかないのに、総花的で臭いのしない番組になってしまっている。阪神タイガースの金本知憲が連続出場を断念した話も取り上げていたが、宮根が一番しゃべりたかったのはこのネタだったはずだ。宮根にタイガースのことを話させるとうまい。遊ぶなら遊ぶで徹底しないと面白くならない。
宮根より Mr.サンデーは 池上さん