威勢良く新党結成を表明していた舛添前厚労相と矢野前参院国対委員長が22日、自民党に離党届を出した。ところが、フタを開けてびっくり。舛添グループは改革クラブに入党するのだという。その舞台裏を取り上げた番組のコメンテーターから「乗っ取った感じもありますね」の声も。
政党助成金
そこでまず、改革クラブの渡辺代表の弁から。記者から「世の中のみんなは新党を作るという受け止め方だが?」と問われて、「間違ってますな。改革クラブが党名変更を決定した。その改革クラブに入党してくるんだよ」と。こうなると、いったい誰が党首に?? 舛添は新党立ち上げを表明した21日、「当然、私が党首になる。『舛添新党』という話になる」と声を張り上げたばかり。舛添はいったんひさしを借りて、いずれ母屋を取るつもりなのか……
そんなギクシャクしながらの『新党結成』を舛添が急いだ背景の一つは、言うまでもなく7月に迫っている参院選がある。参院選の改選議員の任期満了は7月25日で、公選法ではその90日前の当日から7日の間に政治団体の名称を届け出れば、その名称が保護されることになっている。そのタイムリミットが5月2日に迫っていた。
もう一つは選挙資金。舛添は「新党結成に莫大なカネを使ったり、手間ひまかけることはない」と言っており、カネがない。『入党』することによって、改革クラブに支払われている政党助成金はそのまま使える。今年度の第1期分3000万円は20日に支払われており、選挙資金に使えるという計算だ。
キャスターの赤江が「舛添さんは『技術的タイムリミット』とよくおっしゃっていましたが、新築を建てるひまがないので中古にというわけでしたか」とうまい皮肉を。
ただ、中古を買うにしても、現に住んでる人を追い出した形になったのはいかがなものか。改革クラブは自民党と統一会派を組んでおり、今回、舛添グル―プが入党することについては大揉めに揉めた末、中村喜四郎衆院議員と大江康弘参院議員が「一緒にいるわけにはいかない」と、改革クラブを離党するはめになった。
これには木場弘子が「名前を変えてリフォームしようということでしょうが、2人出されたことで、ちょっと乗っ取った感じもありますね」。
改革クラブは離党した2人をのぞけば、現職全員が夏の参院選の改選組で、選挙を前に人気の舛添が来てくれれば選挙に有利という党略があったのだろう。
一方、舛添は、『オオカミ中年』と批判されて自民党内に居場所がなくなった。そんな『落ち武者同士』の両者だけに、「お互いの思惑が一致した」(テレ朝コメンテーターの三反園)のだろう。