夢の次世代バイオ燃料に水中の「藻」が浮上

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   思い起こせばまだ数年前のことだ。石油価格の暴騰と前後して、トウモロコシなどの穀物類が夢のバイオ燃料として脚光を浴びた。農耕によって得られた文明的なエタノールが、原始的に採集された野蛮な石油の代替エネルギーになってもおかしくない雰囲気があった。

   ところが、バイオエタノールが量産されようかという矢先、トウモロコシなど原料の穀物価格が高騰し、食料や耕作地がマシンのエネルギーに奪われ、人類の口に入るエネルギーが減ってしまうというSF的な問題点が盛んに指摘されるようになった。

   そうこうするうちに石油暴騰も一段落。それにともなって、バイオへの期待もすっかりフェードアウトしてしまった。

日本が産油国

   だが、バイオ燃料は終わってなかったのだ。次世代をになう夢のバイオが、今回の放送「夢の植物で新エネルギーを作れ ~加速するバイオ燃料開発~」で取り上げられた。近い将来、石油に替わるエネルギーとして注目を集めているのは「藻」。そう、緑色をした水中の、あの藻が夢の植物の正体だった。

   藻のなかには、油をつくりだす性質を持つ種類があるという。藻のいいところは、穀物バイオエタノールがガソリンなどと混ぜて使わなければいけないのに対して、単独で石油の代替になること。効率もよい。同じ面積でトウモロコシを栽培するのにくらべて、カロリー換算で40倍以上おトクなのだという。

   藻エネルギー研究を続ける筑波大大学院の渡邉信教授によれば、「藻類を使ってエネルギー開発すれば、石油を採る時代から石油をつくる時代になっていく。日本が産油国になることは十分可能」だという。画面では「藻のパワーで日本が産油国!?」と民放的なキャプションが煽る。

   そんな話を聞き、映像を見ていたら、いままで汚らしく見えただけの植物が、エメラルドかなにかのように光輝を放つありがたいお宝に見えてくる。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代

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