「総理にふさわしい人」人気No1の舛添前厚労相が、自民党を離党して新党を立ち上げることになった。すでに賛同を得ているという顔ぶれを見ると、改革クラブの渡辺秀央、荒井広幸、山内俊夫3議員、自民党からは矢野哲朗と離党を表明している小池正勝2議員。5人とも7月の参院選の改選組だ。さらに先に自民党を離党した鳩山邦夫前総務相にも参加要請しているという。
自民に再合流?
この顔ぶれでは、ふつふつと『希望』が湧いてくるイメージにはちょっと遠い。自民党のなかには『落ち武者軍団』と揶揄する声も出ているという。急ごしらえ、唐突な感じがぬぐえない『舛添新党』立ち上げに、番組のコメンテーターたちからも疑問の声が上がった。
まず、ジャーナリストの鳥越俊太郎が「なぜ自民党総裁、総理の道じゃなくて新党の選択をされたのか、どういう存念だったのでしょうか?」と首をかしげると、ゲスト出演した山本一太議員が次のように話す。
「成長戦略とか構造改革推進路線が党内で受け入れられなければ、他の道を模索しなければという思いはあったでしょう」
しかし、「一緒に(自民党を)出ていくことはありませんか?」と聞かれると、山本は「出ていきません。谷垣さんのもとでしっかりモデルチェンジし、参院選を勝ち抜くことに全力を」と言い切った。
「新党結成」というと威勢がいいのだが、「立ち枯れ」に続いて、発足前から「落ち武者」といわれては……
鳥越がさらに「舛添さんの存在感にしてはメンバーがふさわしくないな~。荒井さんは郵政民営化反対していたでしょ。政策的に反対の立場の人が一緒にやれるのか違和感がある。それに、参院選で全員当選とは限らない」ときびしい視線を向けた。
呼応してテレビ朝日コメンテーターの三反園は、「舛添さんのプライドが自分で自分の背中を押した」と、次のように解説する。
「人気No1で気持ち良く風呂に入っていたら、急に熱くなってきて飛び出した。(風呂を熱くしたのは)執行部の人たちの排除の論理で、いられなくなった」
ここまで黙っていた漫画家のやくみつるがボソリとつぶやいた。「刹那的な人気は次の選挙あたりまで。先の先を言うと、いずれ自民党に再合流する人だと思う」。
『オオカミ中年』が党内で身の置き所がなくなり、はぐれオオカミになって永田町さまよい始めたというわけか……