<テレビウォッチ>プロ野球がはじまるなど、春の番組改編の影響で約1か月ぶりの放送。太田光総理(爆笑問題)提出のマニフェストは、政界混迷に戸惑う有権者の空気を反映したものとなった。
新党結成
「結局どちらも頼りないので、民主党と自民党を解散させます」。
2大政党制を担うかと思われた両党ともゴタゴタ続きでふがいないので、いっそ潰してしまえというのだ。すると、日本はどう変わるか。政界再編が起き、政策が一致する政治家同士で新党が結成され、現在のごとき内輪もめはなくなり、こうして日本は平和になるはずだという。
法案に反対するひとり、お笑い芸人の千原せいじは「イヤイヤ言いすぎ。もうちょっと待ってもいい」と言う。「いままで補欠におったヤツに、急に4番でって言ってもあかん。ゆっくり、ちゃんと『ヘルメットかぶってるか?』と(聞いてあげるぐらいの余裕をもつべきだ)」
「せいじと同じこと思ってる人はいっぱいいると思う」とソーリは言う。しかし、そんな有権者が減りつつあるのは間違いないだろう。なにしろ、先の衆院選で民主党に1票を投じたソーリ自身がその代表格で、このごろは鳩山内閣、民主党政権に痺れを切らして吼え続けている。
「ずっと続いた自民党にうんざりして、他の政党に託せばもうちょっと変わるんだろうと思って、国民が行動したのが政権交代でしょ。だったら、もう待てないんだよ!」
弱小球団ファン
こうした会話は何かを思い出させると思ったら、プロ野球の万年弱小球団ファンの心理だ。ベテランのレギュラー選手の惨状を見て、期待の若手の台頭を待望する。ところが、いざ交代すると、若手はミスを連発し、いくら経っても一向に伸びない、育たない。そのうちに、ベテランに戻せとか、ほかの選手を出せ、いやまだ待つべきだといった議論が盛んになる。新たに期待された「第三の選手」も、試合に出てみれば、先の二人より負けず劣らずの絶望的なダメさ加減を見せつけてくれるのである。
さて、番組に戻ると、「自・民解党法案」は小さな国会では可決されたものの、リアルワールドで実現することはあり得ない。野球ならば愛想をつかして見なければ済むが、政治・政界となるとそうはいかない。民主党も自民党も危機感が足りないというほかないだろう。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)