<テレビウォッチ>橋下大阪府知事が新党を旗揚げした。大阪府と大阪市、二重構造の『ふし合わせ』状態を再編成し『大阪都』にするのだという。ハードルは高そうだが、本社機能を東京に移してしまった大阪の大企業が踝(きびす)を返してUターンなどもあり得る?そうなると日本は変わるかも……
仲が悪い府と市
新党の名前は『大阪維新の会』。橋下は19日行われた発会式で次のように高らかに宣言した。
「我々大阪丸をもう一度作り直す。そして東京都と共に『大阪都』でこの日本を引っ張っていく」
で、その狙いとは……
現在の大阪府は、同規模の権限や財源を持っている大阪市との間で、政策の食い違いや競い合いが生じ二重構造にあるという。大阪府の人口884万人、一般会計予算は3兆円。このうち大阪市は266万人、1兆6000億円で、人口でほぼ4分の1を占め、予算は半分もある。
そこで橋下構想は、東京都と23区の関係をモデルに、大阪市、堺市を解体し、周辺9市を巻き込んで再編統合。20の特別区に作り直す。それによって大阪全体のカジ取りを一本化する狙いだという。
橋下は「今の大阪は、知事が決めているのか市長が決めているのかさっぱり分からない。コントロール役を1つにしなければなりません」という。大阪丸を動かすのに船頭は2人もいらないというわけだ。
しかし、この遠大な構想に、まず平松大阪市長が「知事の思い、再編の形が見えてこない」と批判する。
さらに来年4月にやってくる統一地方選を前に、『大阪維新の会』は大阪市議会の単独過半数を視野に置いており、「スーパースターの橋下知事が応援するとなると、恐怖、不安を覚える」ともらす市会議員も。
ムダ排除
スタジオでは、赤江キャスターが「むかしから大阪府と大阪市は仲が良くないと聞いていますが…」と。これに大坂在住の作家、若一光司は次のような感想を。
「府と市で『ふし合わせ』と言われています。『大阪都構想』はムダを排除できるし、スピーディーな行政展開ができ、長い目で見れば理解できるのですが、あまり早いと混乱やトラブルの原因になる。それに実現した場合、大阪市がどうなるか…」
大胆なマニフェストを掲げたものの1年もたたないうちに、干からびたヘチマみたいな政権の構想にはなって欲しくない。
弁護士の大澤孝征も「こういうことを考え出す橋下さんはなかなかのもの。政治家としてうんと成長したんじゃないか。同じ弁護士ではあるんですけど、積極的に評価、応援したい」とエールを贈った。