<テレビウォッチ> 「最大の敗者」などとアメリカのマスコミにコケにされた鳩山首相。絶望的といわれる普天間施設問題の『5月決着』で、側近の中から決着の意味を曖昧にする姑息な動きも出てきた。
現地の声
首相として自ら行動を起こす時期と思うのだが、相変わらず「覚悟を決めて臨んでいる。必ず結論を出す」と言葉だけは強気。一体何なのか??
番組は、小木アナが普天間基地の移設先として名前が挙がっている鹿児島県徳之島に飛んで、住民の声を聞いたサトウキビ栽培が主産業の島は、天城、伊仙、徳之島の3町に分かれており、人口は2万6320人。
この島が候補地として急浮上したきっかけは、首相の側近といわれる牧野衆院議員が視察に訪れてからだ。3度訪れた牧野議員は自身のHPに「徳之島への移設が最も適していると確信した」と綴っている。
しかし、政府の正式な提案がないまま、これをきっかけに島内は騒然となり3町長がそろって会見で猛反発。小木は、島内3町のうち天城町で100人、徳之島町で100人、計200人の島民に話を聞いた。
その結果、普天間移設候補といわれ徳之島空港のある天城町では、反対59人、賛成6人、どちらとも言えない24人、ノーコメント11人。一方、徳之島町は反対80人、賛成8人、どちらとも言えない7人、ノーコメント5人だった。
天城町で『どちらとも言えない』が多いのは、「情報が乏しく、現状が分からない。メリットを聞いたうえで判断したい」からだという。
もめさせる行動
首相の言う『腹案』が徳之島なら、政府が正式な移設案をつくり説明すべき時ではないか。いつまで島民を右往左往させれば気が済むのか。
スタジオでは、まずジャーナリストの大谷が「1議員がHP に『最適だ』と書いてしまえば当然、うちに来るのかとなる。どうして、あっちこっちツバ付けて揉めさせる行動をとるのか」と。
さらに返す刀で大谷が一気呵成に吠えた。
「鳩山さんがオバマさんに10分間しか会えなかったと言われているが、日本だって卓袱台を引っ繰り返すくらいの権利はある。これだけもめているのにあの扱いは何だと……メシを食う前に10分間だけ会ってやるというなら、我々の案はこうだと、これが飲めないならもういいぐらい言うべきだ」
呼応して週刊朝日編集長の山口が「『アメリカは何を生意気なことを言っているんだ』ぐらいの論調がないのがおかしい」と。
しかし、日米合意していた沖縄・辺野古沖移設案を反故にしようというのだから、国内で納得されたきちっとした代替案を提示するのがスジ。それもできずに引き延ばし、アメリカは生意気だとはいえまい。
スタジオで1番冷静だったのは、何と長嶋一茂。「総理がちゃんとした案をもって、現場に赴いていく必要がある」と。