<テレビウォッチ> またか! という印象だ。1年半前のリーマンショックを招いた原油先物への投機の動きがまたぞろ動き出し、原油価格が跳ね上がってガソリン価格に影響が出ているのだ。
実需と投機
番組は「ゴールデンウイークを控え観光地へのドライブを予定している家庭には痛い負担が……」と取り上げた。日本エネルギー経済研究所の石油情報センターの調べによると、3月初めから5週連続ガソリン価格が上がり続け4月5日にはレギュラーガソリンで1リットル当たり131.9円に跳ね上がった。
元凶はニューヨークの原油先物市場でのマネーゲーム。4月14日の先物取引は1バレル(約160?)当たり85ドル(約8000円)で取引されており、100ドルの大台乗せも近い……
小木アナが「原油先物市場ということなんですが、これどういうことですか?」と憤懣を。答えたのは経済アナリストの森永卓郎。
それによると、実需であがっているのではなく、マネーゲームに参加している投機家がカネ余りで市場に参入しどんどん上がっているのが実体だという。リーマンショックの2か月前の2008年7月には、これら投機家が1バレル147ドルまでつりあげた。その結果、原油バブルが崩壊、金融市場にまで波及し世界的な金融危機をもたらす一因となった。
デフレの中突出して…
その余熱がまだ冷めていないのに、はやくも原油バブル当時の中間点ぐらいまで価格が高騰している。ジャーナリストの鳥越が「デフレで物の値段が下がっている中で、ガソリンだけ突出して上がると経済はどうなるの?」と。
これに森永は次のような危機感を。
「最悪ですよ。原油が上がると企業の仕入れ価格が増える。売り値に反映できないので、利益が減り給料も減る。デフレがどんどんひどくなる。このまま投機が進めば、原油価格はもっと上がる。ただ、ガソリンについては3か月間160円を超えると、ガソリン暫定税率を廃止して1?当たり20円値段が下がる仕組みを民主党が作っている。もしかするとその制度が発動されるかもしれないが、財政負担になるので日本にとっていいことではない……」
オバマ大統領はリーマンショックの教訓から新しい金融規制を作り、「投機はやめろ」と言っているようだが、今のところ効き目はなさそう。