<テレビウォッチ>ときに、取材して報告するリポーター側とスタジオ陣の息が合わない場合がある。きょう(4月13日)の「厚生労働省の独自仕分け」がまさにそうだった。報道陣に完全公開する「仕分け」、しかも野党時代、追及の厳しかった長妻昭大臣が所管の独法にどう切り込むか、期待して、長谷川豊アナは会場に向かう。
「財務省がほくそ笑むだけ」
当てはハナから外れる。長妻大臣は「この場で最終的な判断は示さない」と宣言するし、「(仕分け人が)質問しているだけで追及する姿勢は見られません」(長谷川)、「法人の方が一方的に説明をつづけている状況」(同)というもの。
「仕分け」終了後の長妻談話も「行政刷新会議はサンプル的に事業をピックアップして問題を抽出する。厚労省所管の独法は14ある。全部の仕分けを継続的に恒常的に引き続きやって行く」。
小倉智昭が「独自の仕分けというより聞き取り調査みたいで、マスコミにとっては肩透かしの感じだったの?」と問うと、「全くその通り」と長谷川。
長谷川は、ほかの記者が拾ってきたと思われる厚労省幹部の「自らの身を切り刻むだけで財務省がほくそ笑むだけ」「大臣の首相へのアピールでしかない」という話を紹介して盛り上げにかかる。が、竹田圭吾からは「『仕分け』という単語を聞いたときに、役人をつるしあげる絵を想像するのはよくない。こんなことを始めてもすぐ結論出るわけはない。その場で判断を示せないのは当たり前。これ自体をネガティブにとらえる必要はない」とお叱りともとれる発言。小倉も「1回目から法人をどんどん切れない」。
厚労省のパフォーマンスに踊らされた印象の長谷川が気の毒に見えた。