<テレビウォッチ> 激しい騒乱の起きたタイの首都バンコクで取材中、銃弾を受け日本人テレビカメラマンが死亡した。番組は、現地の映像を含め、騒乱現場に肉薄するジャーナリストの死をトップニュースで取り上げた。
デモ隊と治安部隊衝突
死亡したのは、ロイター通信日本支局の村本博之テレビカメラマン(43)。タクシン前首相のデモ隊と強制排除しようとする治安部隊との間で起きた激しい衝突を取材中、左胸に銃弾が当たり即死状態だったようだ。目撃者によると、デモ隊と治安部隊の間に挟まれた形で取材中に銃弾を受けて倒れ、そのまま動かなくなったという。
4月12日未明には村本カメラマンの両親、妻、2人の娘が現地入りしたが、妻は次のようなマスコミ宛てのコメントを同行したロイター通信の同僚に託した。「急なことでどうしていいか戸惑っている。最高の夫であり父親でした」
ジャーナリストの鳥越は「07年9月でしたか、日本人ジャーナリストが騒乱のミヤンマーで、カメラを回していて銃弾で死亡している。こういう中でカメラを回すということは、治安部隊とデモ隊の間の衝突をできるだけ接近して撮りたいという気もあり、間に入ってしまうことがある。しかし、ここが1番危ない。治安部隊の銃を奪ってデモ隊も撃っているという話もあり、どちらが撃った銃弾かわかりません。私もそういう経験が何度かありますが、同じ取材する人間としてやりきれない気持ちです」
12日朝の現地の様子についてテレビ朝日の現地支局によると、デモ隊は依然、バンコク一の商業施設を占拠し続けているが、治安部隊が撤収したために落ち着きを取り戻している。タイ政府が、しばらくの間兵士に休みを取らせるとしており、当面大きな衝突は避けられそうだという。しかし、これで終わったわけではないとも……
最後にキャスターの赤江が「タイというと日本では、微笑みの国タイという印象があります。誰かが取材しなければ伝えられないということでジャーナリストとして取材に入られたと思うんですが……」と。