東大でも…
人材の確保は、青田買い争奪戦の様相をも見せているという。トコロはベトナム・ハノイ。韓国科学技術院(KAIST)の入試担当者が、高校で説明会を開いていた。留学生全員に奨学金が出るので、学費はゼロ。「KAISTを出れば、韓国の一流企業に就職できます」と力強く訴える。生徒たちは「KAISTなら夢がかないそう」などと笑顔を見せるのだった。
同じころ、日本の一流大学の東大も、PRのためにハノイの高校を訪れた。しかし、高校側からは「生徒たちは日本のほかにも、韓国やシンガポール、そしてシンガポールの大学に行きたがってます」と、つれない評価。東大教授は「待ったなしの競争に突入した。ここに割り込むのは相当大変だ」と苦笑い。
日本一の東大ブランドも、アジアに出ればただのノーブランド。アジアの優秀な人材確保のためには、まずは日本に来ることの魅力やメリットを創出することが先決のようである。
ボンド柳生
*NHKクローズアップ現代(2010年4月6日放送)