「恣意的に運用」
で、その死刑に当たる罪だが、作家の若一光司が博覧強記ぶりを。
「日本では死刑に該当する罪は18ぐらいしかないが、中国は70を超える。業務上横領や文化財を盗んだりすると窃盗でも死刑になるケースがある。どのケースで死刑を適用するかは非常に恣意的に運用され、そこに大きな問題がある。一方で、主に政治犯に適用されているのだが、執行猶予付き死刑もある。いずれにしろ非公開ということもあり、冤罪のケースがいくらもある」
この70を超える死刑適用の罪のなかに麻薬所持が含まれるのだが弁護士の大澤孝征は
「麻薬厳罰には、半植民地のきっかけとなったアヘン戦争が背景にある。麻薬は国家を危うくする本質を持っているという観念があり不思議ではない」
と。
中国事情に詳しいジャーナリストによると、その中国で今、麻薬中毒になる人が非常に多く大問題になっており、抑止の意味で厳罰にしているという。
観光で中国へ行ったらバッグの中に麻薬があり、知らぬ間に運び屋に利用され死刑になるとしたら浮かばれない。
文
モンブラン