現代が好調だと、業界で話題になっている。このところ毎年20億近い赤字を出していたが、先日、副編集長の某氏に聞いてみると、今年は単年度で黒字化もあるかもしれないといい、新潮の背中が見えてきたと、珍しく威勢がよかった。
好調の理由は簡単である。前の2人の編集長が、表紙やロゴを変え、女性や若い層を取り込もうと「改悪」したのを、元に戻したから、50代と団塊世代が戻ってきたのだ。それが証拠に、このところの現代には「熟年のセックス」「熟年のSEX 体位編」「夫に早く死んでほしい妻たち」「田園調布の真実」といった熟年向けの大特集が毎号載っている。
長官狙撃「本当の時効」
現代に比べて、ポストの凋落ぶりは、往時を知るものとしては残念でならない。ページ数でも、今号では50ページ以上の差がある。たしかに現代400円、ポストは350円だから、厚さは仕方ないとしても、内容にも生彩がない。奮起せよポスト。
今週の主な話題は3つ。国松警察庁長官銃撃事件の時効、中国ギョーザ事件の犯人逮捕、先週新潮がスクープした中井洽国家公安委員長の女性問題である。
鳩山政権への批判記事は数多あるが、気に入ったタイトルだけをあげておく。「鳩山首相ほんにお前は屁のような」(文春)、「民主党の小さすぎる『ケツの穴』」(朝日)。
国松長官の銃撃犯を挙げられなかった警視庁は、悔しさからか記者会見で「オウム真理教の組織的犯行」と断定して、恥の上塗りだとの批判が相次いでいる。
現代は、TBSの元報道記者竹内明氏のドキュメント「時効捜査」を連載し、最終回では、犯人像をこう結論づけている。
「慰留弾頭が語る犯人像は、『(オウム信者の)K元巡査部長が実行犯』という特捜部の筋書きとはまったく違う、プロのスナイパーを連想させる」
新潮では、鹿島圭介氏を起用して、犯人は2002年11月に名古屋市内のUFJ銀行の現金輸送車を襲撃し、愛知県警に逮捕され、現在は岐阜刑務所にいる中村泰服役囚(80歳)だとしている。この人物、07年の秋に「私が長官を撃ちました」と捜査員に話しているというのだ。
しかし、オウムの犯行に固執する公安部のセクショナリズムのため、闇に葬られてしまっている。だが、この人物の犯行だとしたら、国外へ行っていた時期が300日あるというから、まだ時間は残されていると、鹿島氏は書いている。さて、どうする警視庁。