<テレビウォッチ> 墨田区に建設中のテレビ塔スカイツリーがきのう(3月29日)10時17分、338メートルに達し、333メートルの東京タワーを抜いて、半世紀ぶりに高さ日本一を更新した。2012年には634メートルの電波塔世界一になる。
21世紀の未来図
井上貴博が珍しくヘリに乗ってその瞬間をルポした。「もやにつつまれた中、きょうの主役となる東京スカイツリー、墨田区にそびえ立っております」と、口調までがどことなくみのもんた調。地上からは奥平邦彦が見守る。
すでに328メートルだった突端に、クレーンでつり上げられた高さ10メートルの構造物が据え付けられた。井上が、「ワイヤーがはずされ建造物がしっかりと固定されました」
周辺では大勢の見物客が「すごいすごい」。地元はもうお祭り騒ぎをカメラの前でやってみせる。「なんにもなかった墨田区にねぇ」「うれしい。未知の世界だもん」と感慨をもらす人も。一方、東京タワーにもこの日大勢の客があった。大半はスカイツリーを見通すためだ。「2位になった記念日」という人もいた。
東京タワーが建設されたのは1958年。焼け野原の東京復興のシンボルだった。地元住民にはなくてはならぬもの。5年に1度の塗り直しを40年間行ってきた塗装会社の会長(82)は、「わたしの人生そのものです」といっていた。墨田区では、これから人生が始まるわけだ。
その墨田区が31年前の1979年、「21世紀の私たちの町を描こう」と募集した未来図のなかに、小学生が描いた「墨田タワー」の絵があった。区はスカイツリーを機に作者を捜したが、残念なことに9年前に交通事故で亡くなっていた。