「実にいい」スキャンダル写真 国家公安委員長と銀座ホステス

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   世の中を正す月光仮面は、二昔ほど前なら警察・検察・裁判所だったのかもしれない。だが、警察の威信は早々と地に墜ち、「巨悪は眠らせない」などと大見得を切っていた検察は、小沢一郎幹事長の政治資金規正法違反事件で検察不信を増大させた。厚生労働省村木厚子・元局長逮捕事件の裁判でも、「検察側申請の証人たちが、『検事に脅されて真実でない供述調書にサインした』『調書は検事の作文だ』などと次々証言を翻し、検察の捜査を批判し始めている」(朝日)

   裁判所は、裁判員制度が導入されても、検察の意のままに有罪判決を出し続け、有罪率は限りなく100%に近づいている。

宿舎キー問題も

   新聞は小沢幹事長の政治資金規正法違反事件報道に見られたように、権力監視どころか権力の走狗となって恥じるところがない。テレビはいうまでもない。そうなれば、やはり週刊誌の出番である。

   今週も新潮がやってくれました。それも、全国25万人の警察官に範を示し、国民の安全を司る立場の中井洽(ひろし)国家公安委員長兼防災担当大臣殿(67歳)の女性スキャンダル。元『FOCUS』で腕を磨いた猛者たちの仕事だろうが、ツーショット写真付きである。

   「『中井洽国家公安委員長』が深夜の宿舎に呼び込む傾国の『美人ホステス』」の書き出しは、1998年に自殺した中井氏の妻の十三回忌法要場面からである。妻の自殺の原因は嫁姑問題にあったようだが、中井氏の元秘書は、責任の一端は夫である中井氏の遊び癖にもあると語っている。

「(中略)中井は東京の赤坂や銀座にある高級クラブなどを飲み歩くのが好きで、私もよく同席しました。奥さんは夫のそうした遊び癖に悩み、地元事務所の職員などに相談もしていたのです」(新潮)

   法要で神妙に手を合わせていた中井大臣に、女優天海祐希似で30代前半の銀座クラブに勤める愛人がいたのだ。SPも連れず、赤坂の焼き肉屋、神保町の手打ちうどん屋でデートする2人を、新潮追っかけ取材班はしつこく追尾し、ついに、3月9日、肌を刺すような寒さと雨の中で、彼女が「ブーツのかかとを軽く上げて自分の顔を中井氏の顔に近づけた」(同)瞬間をカメラにおさめたのだ。グラビアでこの写真を拝めるが、実にいい。

   その後、カラオケスナックで2時間ほど過ごした2人が向かった先は、中井氏が住む赤坂議員宿舎。彼女が出てきたのはそれから2時間後だった。

   部外者をみだりに立ち入らせてはならない議員宿舎へ女性を招き入れるだけではなく、どうやら彼女に、宿舎に出入りする際必要なカードキーまで貸与していたようなのだ。

   その上、銀座から赤坂へ移動するときに白タクを使った疑惑も出てきた。また、防災担当大臣という重責にありながら、3月14日、福島県沖を震源とする震度5弱の地震が発生したとき、このお方、彼女と2人で丸の内の映画館で脳天気に「シャーロック・ホームズ」を見ていたのだ。

   携帯を切っていたからわからなかったのかもしれないが、18時半過ぎに出てきた中井氏は、なんと、そのまま2人で門前仲町の整体院に行って、その後、焼き肉屋、カラオケスナック、お決まりの赤坂宿舎へと消えた。

「このような人物を国民の安全を司る大臣として頂く我が国は、すでに『国が傾く』途上にある、と言うべきではないか」と新潮は結んでいるが、私にいわせれば、甘すぎる見方ではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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