<テレビウォッチ>亀井郵政改革相と原口総務相が3月24日、預け入れ限度額を2000万円に引き上げることなどを盛り込んだ郵政改革法案を発表した。
閣内から異論続出
その概要を笠井アナが『得もり』で取り上げた。現行の『持ち株会社』『郵便』『郵便局』の3社を統合して親会社とし、それに『ゆうちょ銀行』『かんぽ生命』がぶら下がる3社体制にする。
預け入れ限度額について、現行1000万円を2000万円に、かんぽ生命の加入限度額も1300万円から2500万円にそれぞれ引き上げるというもの。
この案に対し他の民間銀行からさっそく「民業圧迫」と反発の声が出たのは想定内のことだが、身内の閣内からも異論続出……
あろうことか発表後に鳩山首相が「(限度額引き上げは)閣議で決めた話ではない。閣内でも議論する必要があるのではないか……」と。仙谷国家戦略相も「議論しないで既成事実として通すのはよくない」と批判する始末だ。
郵政民営化見直しは民主党が公約に掲げた重要法案だ。それを発表前に閣僚間の意見の擦り合わせもしていないというのでは『政府主導』が聞いて呆れる。
で、スタジオでも小倉キャスターが、「郵政民営化是か非かは小泉さんが選挙をやって圧勝した。(政府の権限が強まる)今回の案は民意とも逆の方向に行ってしまうわけですよね」と、ひと昔前にピントが戻ってしまったような発言を。
リーダーシップを絶讃
これにノンフィクション作家の岩上安身が次のような答えを。
「その時はそういう判断があったが、昨年の総選挙で民主党が『郵政民営化を見直す』と掲げて圧勝した。国民の生活に支障をきたすとか、一部の人だけが美味しい思いをし、多くの人が痛みを感じたという反省点があったからこそ今の政権ができたと思う」
小倉はなぜか執拗に「民間銀行との競争でバランス良くできるのかという問題があるのでは……」と食い下がったが……
これに岩上は「難しい問題はあると思うが……国民新党の役割は大きい」と、話を移し亀井郵政改革相のリーダーシップを絶賛した。
「旗頭の亀井さんのリーダーシップには強いものがある。これまでも閣内で意見が分かれる場面があったが、ぎりぎりのところでご自身の考えを反映させている」
迷走中の鳩山政権の中にあって、唯一リーダーシップを発揮している亀井大臣がここでも自説を通すことができるかどうか。もしできれば次期総理大臣の可能性はあながち冗談ではなくなるかも……