自民党のごたごたに続いて今度は民主党だ。生方幸夫・副幹事長が新聞のインタビューで小沢幹事長批判をしたというので、副幹事長解任となった。小沢幹事長は「残念だ」といいながら了承したという。
問題になったのは、産経新聞に載った「民主党の運営はまさに中央集権です。権限と財源をどなたか1人が握っている」というくだり。
「自分の一存」
これに高嶋良充・筆頭副幹事長が反応した。生方議員を呼んで「辞表を出せ」といったので、はげしい応酬になった。
「これは処分ですか? 秘書が3人逮捕されている幹事長の責任はどうなる? そこを問わないで、幹事長を批判した私に辞めろというのはおかしい」「辞めろとはいってませんよ」「辞表を出せというのは辞めろということでしょう」
高嶋は同夕、生方をのぞく副幹事長会議を開き、「解任」を決めた。高嶋は「老婆心から辞表をといった。小沢幹事長の了承はとってない。自分の一存だ」という。まあなんという浅知恵。これで間違いなく小沢幹事長の印象は悪くなり、党の支持率も下がるだろう。
その生方が、スタジオに登場した。
北川正恭が、「ここへ出てくること自体が執行部の失敗ですわな(爆笑)。こうして自由にしゃべらせたら……解任は早すぎた……おお生方君、面白いこというなと、懐深くやっていたら、絶対出て来れませんよ」
自民もそうだったが、「外でいう前に党内で議論を」というのは、この話でもある。与良正男が「いう機会はあったのか」と聞いた。
生方「なかった。政治主導といいながら、ことは政務3役が決める。われわれの声は反映されず、意見をいうことができなかった」
こんなに集めてどうするの?
こういうことだ。正副会長会議というのが2週に1回、16時30分から17時まで。役員会で決まったことの報告で、最後に質問はというのが2分ほど。質問ひとつがせいぜいで、意見をいう時間はない。半年間ずっとそうだったと。
生方はまた、小沢幹事長はやめてしまった政策調査会の復活を求めるグループの中心だった。「政権とったら、国民の声を政策に反映させる、と訴えてきたのに、与党になったら、政策に何にもいえない」
みのもんたが、「小沢さんが新人議員に、選挙区へいけといったとき、われわれは政策集団を選んだのに、と思ったんだが……」 生方は、「あらゆるものが中央集権なんですよ。われわれは地方分権といっているのに、党が中央集権では説得力がなくなってしまう」 与良「副幹事長でも、小沢さんに近い人、そうでない人の色分けはある?」 生方「ありますね」
みのがボードを引っ張り出して、「ものもいえないのに、こんなに集めてどうするんですか?」。ボードには14人の名前が並んでいた。「同じ考えの人は出てこないんですか?」
生方「いろいろ反応はありましたよ。よく言ってくれたとか」
ああだこうだいってるうちにだんだんわかってきた。生方が最後に「普天間でも、民主党案というのはないでしょ。議員が地元に帰って話していたら、受け入れる話になるかもしれない」といった。
いいポイントだ。かつて自民党が強かったとき、異論が出ても平気の平左だった。それが組織の強さを表していたものだ。