「及び腰」が子どもを殺す 虐待防止「日本の本気度」

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<テレビウォッチ> 子どもの虐待死が続く。児童虐待防止法ができて10年、児童相談所への相談件数は4万件をこえ、10年前の6倍になった。この間、法改正によって保護体制は強化されたはずなのに、事態は悪くなる一方だ。

権限は強化

   原因をみると、まずは虐待のサインの見落としと保護当事者の消極性、怠慢がある。

   今2010年1月東京・江戸川区で7歳の男児が、両親の虐待で死亡した。昨年夏から母親がいまの夫と暮らし始めた。9月、歯科医から「顔や太ももにアザがある」と、区の子ども家庭支援センターに通報があった。

   学校に連絡し、担任、校長らの家庭訪問で父親による虐待を確認した。しかし、父親が「2度とやらない」というのを信じ、児童相談所へは連絡せず。その後、学校が「元気だ」というので、センターは虐待は終わったと判断した。

   しかし10月からたびたび欠席をし、頭の怪我で8日間入院していたのだが、この事実は連絡されなかった。

   奈良・桜井市で今3月3日に食事を与えられず餓死した5歳の男児は、体重が6.2キロと標準の3分の1しかなかった。1Kのアパートで、男児はロフトに押し込められた状態だった。

   乳幼児検診を3年間受けていなかったため、市は電話で受診を促したが、母親は口実をつけて応じなかった。担当者はこれを疑わず、家庭訪問もしなかった。この検診は、国の対策でも、虐待発見の重要な手がかりとされている。

   法改正で児童相談所は、家庭への立ち入り調査や強制的に親と引き離す保護などの強い権限を与えられている。しかし、子どもの虹情報研修センターの川﨑二三彦は、「市区町村の役割が重要。カギは家庭訪問だが、親が『もうしない』といった場合など非常に難しい」という。

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