<テレビウォッチ> 自民党の小泉進次郎衆院議員が保育所を訪れて、子ども手当批判を訴えたVTRをマクラに、改めて、子ども手当の問題点を洗い出す。
空白地域の調査を
保育所入りを待つ待機児童の数は全国で2万5000人、その4割以上が東京、神奈川に集中しているという。番組が話を聞いた、両地区に住む待機児童を持つ親たちは、当然のように、子ども手当より保育所の増設を望む。経済的な理由ばかりでなく、働く意欲も高そうだ。
鳥越俊太郎は、日本の少子化の背景に、子どもを育てる環境整備がされていないことがあるとし、保育所の空白地域を調査して保育所をつくること、さらに「例えば、1000人以上の職場に保育所の設置を義務付けることを提案したい。そうすれば、お母さんが楽になって、2番目の子を持つような気がする。そういうことをやってほしい」と強調。
大澤孝征(弁護士)は、子ども手当が「定額給付金と似たような選挙目当てのバラマキ」と断言、その上で「小泉進次郎さんは、なぜお父さんのことを言わなかったのか。『米百俵の精神』だ。百俵もらった米をばらまいたら何にもならない。教育施設をつくって人を育成する発想が必要だ」と述べた。
若一光司(作家)も、「制度設計に矛盾点がある。低開発国から日本に来てしばらく住めば子ども手当をもらうだけで母国に持ちかえることもあり得る。一方では、親がいなかったり、行方不明の子にお金が回らなかったりする。そういうことを考えると相当ムダなバラマキになりかねない。OECDの中でも、日本の女性の育児中の就業率は低い。これをどう高めるかに切り替えるべき」と語った。
「子ども手当法案」はきょう(3月16日)衆院を通過するが、番組的には悪評さくさく。参院選でも民主党が期待するほど票にならないのではないか。