ハゲタカ弁護士「嘆かわしい」 過払い金返還のワナ

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   ところが、弁護士、司法書士にも悪辣な者がいるのである。手口は「戸別訪問」ではない。チラシや広告で集客し、人件費の安い多くの事務員を使って多数の顧客を相手にする。かつて、そんな事務所にいたという弁護士は「過払い金は経済的な面で効率よく魅力ある。どの事務所も業務のメインにもって行く。ベルトコンベアが回るたびにお金が入ってくる」と明かす。100万円の回収金を上回る130万円余の高額報酬を請求してトラブル化しているケースが紹介される。

   こうした事態について、日弁連会長に選ばれたばかりの宇都宮は「弁護士としては、多重債務者の生活再建、経済的更生が当然の目的だと思ってきた。もっぱら自分の利益を追求してビジネスとする弁護士が出てきていることは全く嘆かわしい」と述べる。

   最後は日弁連会長が語る対策――2000年に広告規制を撤廃、04年に弁護士の報酬規定を撤廃して自由化したが、両方とも規制する方向で検討したい。弁護士会が09年に出した債務整理事件の指針(ガイドライン)を改善する必要がある。消費者教育を徹底し、高校生あたりから多重債務問題を教育の中にとり入れられればと思う。どこの弁護士会にも多重債務相談の窓口がある。その広報も、きちっとやりたい――

   宇都宮によると、全国には200-300万人の多重債務者が存在し、2割くらいは弁護士会や消費者センターなどの適切な相談窓口に行くが、8割は適切な所を知らないそうだ。うまい話と広告にはご用心である。

アレマ

NHKクローズアップ現代(2010年3月11日放送)
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